そして、「強制して在庫を持たせることもないし、クーリングオフもできるし、法律違反でもない」と続けましたが、説明が佳境に入ると、「欲しいと言われたときに在庫がないと販売できないため、商品を自主的に購入する人がほとんど」などと購買意欲を煽ってきます。

「すると、いっしょに説明を聞いていたCが『
いくつか商品が欲しい』『
いつでも商品が売れるように在庫として持っておきたい』と言いはじめたため、奈々を刺激してしまったようです。奈々は私が止めるのも聞かず、2万円ちかくの商品を購入してしまいました」
さらに奈々さんは、「どうして美優も買わなかったの?」などと不機嫌になり、どんどんのめり込んでいきそうな雰囲気だったといいます。そしてやがて、
自分の働いている飲食店の常連客にまでセールスをはじめてしまった奈々さん。

「でも、セールスされた常連客のひとりが、『
サプリ売るヤツだよね? どんな説明受けたの?』『説明のとき、だいたい80%とかキリのいい数字じゃなく、78%とか端数までを提示して具体感を出していなかった?』など、説明会の様子を言い当てはじめたんです」
ほかにも、「勧誘の場には予定外の人が出席していて、
最初は不信感を抱いている感じだったのにいつの間にか同調して、自分から在庫を購入するとか言い出さなかった? それで説明している側は『在庫が少ないから』と、急にもったいぶったんじゃない?」と、ズバズバ。
最後には「
こういうのは、実はCも最初からグルというパターンが少なくない。C以外の参加者の心理を利用して不安や焦り、在庫の購入を急がせる。単純なパターンだよ」と断言しました。