「オムツ交換は素手、奇声を発する高齢者は放置…」介護施設の職員が見た“恐ろしい施設格差”。有名大手でも安心できない
同じ職種でも、働く会社や現場によって待遇や環境が大きく異なることも少なくないようです。
今回はそんな現実を知り後悔するも、自身の年齢や生活を考えて転職を断念した宮川陽子さん(仮名・40代後半)に話を聞き、アドバイスをもらいました。
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陽子さんはある日、会社員時代の元同僚H香さん(40代後半)と久しぶりに再会し、「どこかでお茶でも」という話になりカフェへ。そして、いまはお互いが介護施設で働いていることを知り、話はますます弾みます。
「私は自分が働いている介護施設に不満がたくさんありました。まず新型コロナウイルスが問題になったとき、マスクの着用は義務付けられたのに、みんながやっているからと素手でのオムツ交換が当たり前みたいな感じになっていて、ずっとおかしいと思っていたんです」
陽子さんがその話をすると、H香さんは「え……?」と驚いて眉をひそめ、「それ、大丈夫なの?」「排泄物から感染する病気もあるのに」と心配そうに言われます。その反応に「H香のところは、違うの?」と思わず反射的に聞いてしまった陽子さん。
「介護の現場は常に人手不足だとテレビやネットでもよく見かけるし、問題が報じられることも少なくない。だから、自分の職場が普通だと思っていたのです。でもH香は、『みんな、ちゃんと手袋してるよ』『素手でオムツ替えとか怖い……』とドン引きしていました」
その反応に驚いた陽子さんは、「自分の職場環境が普通ではないのでは?」という疑問が頭によぎったといいます。さらに、「規模について聞いてみると、H香より私が働く施設のほうが大きくて断然知名度もあるのに、どうしてきちんとしてないのかと疑問が大きくなりました」と続けます。
「そこで、いままで私が困っていたことについても吐き出してみたのです。たとえば、私の職場は常に人手不足で、夜勤のときは広いフロアを複数階1人で担当することもありました。でもH香は、『1人で複数階も担当してたら、何かあったときに大変そう』と言います」

※イメージです(以下、同じ)
素手でのオムツ交換が当たり前っておかしくない?

施設によってこんなにも違うの? 自分の普通を疑う
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