――実際、体験してみないと、適正はわからないですからね。
ウイカ:ブレることって「急がば回れ」という感じで、私はその経験があったからこそできる役もあって、今があると思っています。高校生・大学生で進路を悩まれてる方に相談を受けるときはよくこのことを伝えますし、転職を考えてる方にも、ダメだったら帰ってきたらいいと思うんです。
ブレたらダメというのは私は違う気がしていて、ブレてもいいんです。わざとブレろとは言いません(笑)。ブレてもいい、をモットーにしています。そういう生き方もあっていい。これからの時代はよりいいんじゃないかなって思います。
――その考え方で大河ドラマへの出演も叶いました。
ウイカ:ありがとうございます! 私のキャラに近いようなキャラクターだったなと思うんです。わたしは、万遍なくブレて今日はバラエティ、今日は俳優と日替わりみたいな感じなので、今の働き方は性に合っています。その中であの大河ドラマの経験は視野を広げてくれて、大事な発見がすごくたくさんありました。
そういう作品に出会えるとグッと伸びたような気がしますし、さらにもっと広げたいって思えるんです。そういう作品にずっと今恵まれているので、そこが一番感謝しています。ブレられることが幸せといいますか、それは選択肢があるということですから。
――今後の人生、特に30代後半としては、どんなふうに生きていきたいですか?
ウイカ:ちょうど今、次のフェーズに入る入口だなと感じています。10年前、25歳の頃はまだグループ活動をしていて、まだ全然テレビにも出ていなかったので、まったく違う世界にいました。そこからまた10年たった今、また何かが変わるタイミングにあると思っています。
女性としての生き方にも、これから体調や考え方の変化が出てくる時期だと思います。ただ、そういった中で「今、働けるうちに働いておこう」と思う気持ちは、これまで以上に強くなっています。
役者としても、演じられる役の幅が広がると思うんです。母親役や、ちょっと頼れる先輩役など、これまでとはまた違った役柄に出会えるのが楽しみです。キャリアの中で、そういう変化を経験できることにワクワクしています。

<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、
インスタグラムにて写真レポートを行うことも。