友達の紹介や同じ職場で知り合ってお付き合いする場合と違って、婚活サービスの出会いは条件先行です。そしてお互い、同時にいろんな方と会って比較検討するのです。
そうなると
「奨学金返済中」だと知られたらマイナスになり、他の人を優先されてしまう可能性も出てきます。なお、婚活サービスのプロフィール項目に奨学金の項目はないので、相手に奨学金返済中と言わなければ気づかれることはありません。
奨学金返済がある美紀さんを受け入れてくれる彼氏は大事にした方がいいとも思えます。

「奨学金返済がある美紀さんは、
彼氏のことを『貯金が100万円しかない』なんて責められる立場ではないですよね」
「そうなんですか。
私より10歳も年上なんですよ?」
なんだか美紀さんは、彼氏より10歳若いからといって胡坐(あぐら)をかいているように感じます。
美紀さんはどうしても納得がいかないようです。
「私も収入が多くないので、
彼と結婚したら、結婚式とか新婚旅行とか我慢しなきゃいけなくなるってことですよね」
「彼氏のせいで我慢しなきゃいけないって思ってませんか?
キャリアアップして自分の年収上げればいいんですよ」
美紀さんは年収が200万円台で、契約社員でした。
「地元にはそんなに仕事がないから」と言うのですが、千葉に住んでいるのだから東京近くに通勤するとか、実家を出て働くとか、そうした選択肢は考えていないようです。
「マッチングサービスを使えば、男性側も当然いろんな女性と比較検討するんですよ。
正社員で働いて結婚後も共働きしようと思っている堅実な女性も、バリバリ働く美人も、美紀さんよりもっと若い女性も、ライバルにいるんです」
あまりピンと来ていない表情の美紀さん。どうやら、正社員で働く女性の解像度が低いようです。同僚は同じ販売職の契約社員で、年収も同じぐらい。20代で結婚した友人は、今は子育てしながらパートで働いています。友人の金銭事情や相手の雇用形態までは知りません。
「
私も、真面目にフルタイムで働いているから大丈夫ですよね」
「そうだと思うけど上には上がいるから、美紀さんが婚活市場に行っても、今の条件だと有利にはならないってことですよ。大学受験で人気の大学を狙うなら自分の成績を上げるのと同じで、
条件がいい男性を狙うなら自分の魅力を上げなきゃいけないの」