
公私において時間や約束を守るのは、暗黙のルール。
しかし秒で「忘れる」のがADHD。いいえ、忘れるのではなく、別の考えが光の速度レベルで脳を席巻していくだけなのです。
とはいえ世間的には「忘れる」で片付けられてしまいます。もう「忘れる」を忘れましょう。
やしろさんは脳内に「秘書」を雇いました。優秀なアプリです。しかも「アクションコマンド2つくらいで技が出せるような、工程数が少ないもの」というアプリのみ。
工程が多いと面倒で続きません。シンプルなGoogleカレンダーは最強アプリだそうで、「とにかく毎日開いて見るアプリにTo Doを打ち込む」。リマインド機能は絶対につけましょう。

「ADHDで、LINEやメールの未読が100件単位でたまっている人は少なくないと思います」と、やしろさん。ADHD特有の「先延ばしグセ」の典型例だといいます。
相手によっては、数日あるいは数週間の既読スルーで関係性をあきらめる人もいるかもしれません。
ADHDだけではなく「多忙だからあとで」とか「言いたいことをまとめてから」など、返信を先延ばしにすることは誰にでもあります。
ADHDの場合、当事者の事情とは別にその特性がそうさせているので、やはり「どうしてこうなった?」という混乱や孤独や悲しみなども感じやすいかもしれません。
ただ、記念日や約束といった、重要な返信を先延ばしエンドレスにしてしまうのは、相手だけではなくご自身の生活にも支障をきたします。
対処法は「思いついた瞬間に、完璧を捨てて即行動」。了解!OK!なんならスタンプひとつでも大丈夫。相手と自分に安心感をあたえましょう。
事前の対応策としては、「1日1回、『強制返信タイム』を設ける」「メッセージは返信タイムまで開封・既読をしない」。こちらもリマインド機能で管理して、「即レス」すれば完了です。
「このレスは時間かかりそうだから…」といって後回しにするのは厳禁。やしろさんいわく「脳を通さない。脳に疑う余地を与えない」のが鉄則だそうです。
ADHDの特性をふまえたルールですが、LINEやメールで集中を妨げられたくない人にも有効だと思いました。