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「デートで映画に行き、彼女と来たのを忘れてひとりで帰ってきた」マンガ家が脳内に杉下右京を召喚するワケ

「忘れる」を嘆くよりも「思い出す」工夫

ADHD6公私において時間や約束を守るのは、暗黙のルール。 しかし秒で「忘れる」のがADHD。いいえ、忘れるのではなく、別の考えが光の速度レベルで脳を席巻していくだけなのです。 とはいえ世間的には「忘れる」で片付けられてしまいます。もう「忘れる」を忘れましょう。 やしろさんは脳内に「秘書」を雇いました。優秀なアプリです。しかも「アクションコマンド2つくらいで技が出せるような、工程数が少ないもの」というアプリのみ。 工程が多いと面倒で続きません。シンプルなGoogleカレンダーは最強アプリだそうで、「とにかく毎日開いて見るアプリにTo Doを打ち込む」。リマインド機能は絶対につけましょう。

「完璧な返信」でなくてもいい

ADHD 7「ADHDで、LINEやメールの未読が100件単位でたまっている人は少なくないと思います」と、やしろさん。ADHD特有の「先延ばしグセ」の典型例だといいます。 相手によっては、数日あるいは数週間の既読スルーで関係性をあきらめる人もいるかもしれません。 ADHDだけではなく「多忙だからあとで」とか「言いたいことをまとめてから」など、返信を先延ばしにすることは誰にでもあります。 ADHDの場合、当事者の事情とは別にその特性がそうさせているので、やはり「どうしてこうなった?」という混乱や孤独や悲しみなども感じやすいかもしれません。 ただ、記念日や約束といった、重要な返信を先延ばしエンドレスにしてしまうのは、相手だけではなくご自身の生活にも支障をきたします。 対処法は「思いついた瞬間に、完璧を捨てて即行動」。了解!OK!なんならスタンプひとつでも大丈夫。相手と自分に安心感をあたえましょう。 事前の対応策としては、「1日1回、『強制返信タイム』を設ける」「メッセージは返信タイムまで開封・既読をしない」。こちらもリマインド機能で管理して、「即レス」すれば完了です。 「このレスは時間かかりそうだから…」といって後回しにするのは厳禁。やしろさんいわく「脳を通さない。脳に疑う余地を与えない」のが鉄則だそうです。 ADHDの特性をふまえたルールですが、LINEやメールで集中を妨げられたくない人にも有効だと思いました。
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ADHDと「相棒」
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