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活動終了の「嵐」は他グループと何が違うのか?売れなかった頃の辛い記憶も

なぜ嵐はすぐブレイクしなかったのか?

 嵐がデビューした1999年は、SMAPがまさに“国民的アイドルグループ”の名を欲しいままにし、ヒット曲を連発、メディアを席巻していました。そこにTOKIO、KinKi Kids、V6といった先輩グループも活躍していた時代です。  さらに、アイドルの世代交代が難しい状況も生まれていたのです。SMAP以前の男性アイドルグループは、デビューから3年もすれば人気のピークを過ぎ、次のグループに人気が移っていくのが当たり前でした。しかしSMAPは、アイドル自体の人気が下火だった時代性もあって、デビュー(1988)当初に爆発的人気を獲得できず、数年かけてバラエティなどを軸にお茶の間にじわじわと浸透、テレビドラマ『あすなろ白書』(1993)に出演した木村拓哉の大ブレイクによってようやく人気を獲得したという歴史がありました。  加えてSMAPは、前述したようなアイドルの“賞味期間”を超え、大人になってもずっとアイドルで居続けるという新たな道を開拓しました。その意味では、SMAPも嵐も「じわじわ浸透して長く売れる」というスタイルを確立したとも言えます。
山田太郎ものがたり

2007年、二宮と桜井が共演したドラマ『山田太郎ものがたり』のDVD。2人とも可愛らしい!

今までのグループと違う、嵐の“普通ぽさ”

 嵐がこれまでの他のアイドルグループと違っていたのは、ある種の「普通ぽさ」があったことではないかと思います。  嵐が不遇だった頃、NEWSや関ジャニ∞(現SUPER EIGHT)やKAT-TUNといった後輩グループがデビュー、KAT-TUNのデビュー曲はミリオンセラーを記録するなど、時代の勢いは完全に変わったような雰囲気がありました。  一方で嵐は、SMAPやキンキの持つスターオーラももちろん持っていますが、それ以上に「親しみやすさ」「親近感」を感じられる存在でした。親しみやすさとは、当時の王子様的だったアイドル像とはある意味矛盾した要素。それを前面に出すという、できそうでできないことに成功したのが嵐だと思います。
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