加えて、嵐の「仲の良さ」も大きく注目されるポイントでした。日頃から仲が良く、25年の間たくさんの話し合いを重ねたといいます。グループとしての活動休止に至るまで、一人も欠けなかったことは、「この5人でなければ嵐ではない」というメンバー同士の信頼感や、ある種の“自信”ゆえでしょう。
人気を博した旧ジャニーズのグループでも、メンバーの脱退、不祥事、分裂などが少なくなかっただけに、最後までそれがなかった嵐の“特別さ”を感じさせます。
先輩たちの活躍、台頭する後輩たちの陰で、じっくり時間をかけて少しずつ魅力を発揮させ、スーパースターよりも身近な存在となったこと。コンプラ意識がより強まる中で、仲の良さや人を傷つけない雰囲気が好まれる時代性にピッタリフィットしたこと。これらが、嵐が遅咲きでありながら不動の国民的アイドルとなった大きな理由ではないでしょうか。
STARTO社で活動する後輩グループたちの一部は、今も「嵐的なもの」をロールモデルとして進化を続けている、そんな気がします。しかし、嵐に並ぶ存在はなかなか登場しないことも事実。次に時代の空気が変わるとき、そこに「嵐的なもの」を壊すほどのパワーを持った存在が現れないかぎり、来年以降は嵐の穴が空いたままの時代がやってくるのかもしれません。
<文/太田サトル>
太田サトル
ライター・編集・インタビュアー・アイドルウォッチャー(男女とも)。ウェブや雑誌などでエンタメ系記事やインタビューなどを主に執筆