なかなかGが見つからないなか祐実さんがトイレに立ち、しばらくすると、短い悲鳴が聞こえてきました。
「急いで様子を見にいくと、
祐実がトイレのスリッパでGを仕留めていました。ありがたいと思いましたが、そいつの下半身が少し千切れているのを見て吐きそうになってしまいました」
祐実さんはトイレに行く際に「すぐに帰ってくるけど、いざとなったらこれで自分の身を守って」と、
まるで拳銃を託すように、友理奈さんに殺虫剤を握らせてくれていました。

「なので祐実はスリッパを汚してしまったことを謝ってくれたんですが、『そんなのは買い換えればいいだけだから大丈夫! それよりこんな嫌な役目を引き受けてくれてありがとう』と彼女を讃えながら、死骸を片付けるためのティッシュやビニール袋などを準備して現場に戻ったんですよ」
すると、
そこにはGの下半身だけが残されていて、上半身は消えていたそう。
「思わずキャー! と絶叫してしまいました。ゾンビ映画のような展開にクラクラしながら、祐実と必死になって上半身を探したんです」
するといつの間にか空が白んできてすっかり朝になってしまいました。
「祐実が来てくれたのが20時過ぎだったので、とんだ長期戦になってしまいました。2人とも身も心も疲れ切っていたので、一旦コンビニでも行ってイートインで朝食を食べながら休憩しようということになったんですよ」
そして
友理奈さんが靴を履こうとした時、何だか胸騒ぎがしました。

「よく見たら触覚のようなものが目に入り、祐実に確かめてもらったら……
なんとあいつの上半身が靴の中で死んでいてゾッとしました」
トイレから玄関はすぐ近くなので、きっと瀕死のGは力を振り絞って逃走し、靴の中に身を沈め息を引き取ったのでしょう。
「気持ち悪いので、その場で靴ごとビニールに入れて捨てました。幸いにも安いフラットシューズだったのでホッとしたというか、
お気に入りの高い靴だったら泣いていたと思います」