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「70歳を過ぎても恋できる人」の特徴。老いを感じても、“暴走する高齢者”にならず楽しむには

 巷で話題になっている『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)が、笑いながら泣けるドラマとして人々の胸に刺さっているようだ。  長倉和平(中井貴一)と吉野千明(小泉今日子)を中心に、長倉家の兄弟姉妹、周辺の人々による静かで深くて、せつないようなおかしいような日常が丹念に描かれている。登場人物それぞれのキャラクター、そしてそれを演じる俳優たちが非常に人間臭くて、リアルで、そして優しい。
『続・続・最後から二番目の恋』

『続・続・最後から二番目の恋』©フジテレビ

 肝心の和平と千明の関係は、今もって「大事な人」であることしかわからない。男女を超えた信頼関係のもとに日々、少しずつ礎が堅固なものになっているのは見てとれる。  今シリーズは、そこに千明のかかりつけ医となった成瀬先生(三浦友和)と、和平が定年後も勤務する鎌倉市役所で働き出した“未亡人”の早田律子(石田ひかり)が登場している。

73歳医師の恋「なんだか心が動くとおもしろい」

 成瀬先生は73歳、先立たれた妻にうり二つの千明に恋をしてしまう。和平と千明の関係を知って、成瀬は千明にこう言う。 「あの日以来、胸がチクチクしましてね。長倉くんと一緒のあなたを見てから何か……こうチクチクとね。2人の関係はすてきだし、長倉くんはいいやつだし。チクチクします」  正直に自分の胸の内を語っていく。彼は初恋の相手と結婚し、その妻に先立たれてから、「ずっと、あとの残された人生を静かに、というふうに思ってたんだけど。まあ、それでもいいんだけど。なんだか心が動くとおもしろい」と伝える。  心が動く、変化する、成長する。今回のドラマのキーワードである。  千明59歳、和平63歳、成瀬73歳は、小泉今日子、中井貴一、三浦友和の実年齢でもある。だからこそセリフが実感をともなっていて説得力がある。

千明は高齢者寸前、和平が前期高齢者寸前

 一般的に「高齢者」は65歳からと思われている。これは医療制度や介護保険からの定義で、65歳は前期高齢者、75歳以上は後期高齢者である。だが、厚生労働省が高年齢者の雇用と言う場合は60歳以降を示すし、内閣府の「高齢者の日常生活に関する意識調査」なども対象は60歳以上だ。グルメ、レジャー、交通などのシニア割引もほとんどが60歳以上。
『続・続・最後から二番目の恋』

『続・続・最後から二番目の恋』©フジテレビ

 ということは千明は高齢者寸前、和平が前期高齢者寸前ということになる。だが今の60代前半までは若々しい。そんな中、成瀬だけが立派な前期高齢者で、後期高齢者との狭間にいて、まだ元気ではあるものの、自らの「老い」をもっとも感じている年代だ。75歳の壁と言われるように、健康をもっとも害しやすいのが75歳以降。
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ニュースをにぎわせる「暴走する高齢者」
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