
スターバックスで販売されている「アールグレイミルククリームドーナツ」
それでは次に、スタバのドーナツについてです。
スタバでは2002年から、パン・菓子類の生地の大部分の製造や焼成取引先に対する技術指導を、大手ベーカリーチェーンであるアンデルセングループが担当しています。
アンデルセンと言えば、デパ地下のベーカリーショップとして歴史が長く、食事パンやデニッシュ系の菓子パンのおいしさに定評がある専門店。

スタバのドーナツの特長は、ビッグボリュームでありながら甘さ控えめであること
現在(2025年6月13日時点)で販売されているドーナツは4種。実際に食べてみると、スーパーやコンビニで並ぶドーナツよりも大ぶりで、各段においしいことがわかります。
「シュガードーナツ」はシンプルながらもモチモチ感のある食べ心地。シーズンごとにさまざまなフレーバーが登場するクリーム入りドーナツは、程よいしっとり感とチョココーティングのバランスが良く、甘すぎないのが魅力。

「ティラミスマラサダ」
中でも「ティラミスマラサダ」は、マスカルポーネカスタードクリームとココアクリームが入ったハワイで人気のドーナツで、他店ではなかなか食べられないユニークさが際立つ商品です。
価格帯は、280円から320円。ドーナツ専門店よりもリーズナブルで、全国どこのスタバでも購入が可能。行列することはありません。
これらのことを総合すると、スタバのドーナツは、日常の気分を程よく変えてくれるオシャレさ、ボリューム感、コンビニやスーパーではなかなか手に入らないおいしさ、価格の4バランスが見事に取れているということ。街の頼れるドーナツ屋であるミスタードーナツとは別のフィールドで、身近なカフェで味わえるおいしいドーナツの成功例と言っても過言ではありません。
ドーナツはさまざまな変化や進化を遂げて、ひとくくりでは語れない時代になっています。どこでどのようなドーナツを食べるかによって、楽しみや喜びが変わってくるでしょう。
専門店にせよ、スタバにせよ、ドーナツはワンハンドで手に入れられる最強のハッピーフードとして今後もますます愛されていくことは間違いなさそうです。
<文/食文化研究家 スギアカツキ>