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不倫しても「スポーツで信頼回復」に違和感…錦織圭の不倫問題に見る“女性だけが不利益を被る”ナゾ

芸能界やスポーツ界に見る不倫バッシングの不平等

田中圭さん

画像:山形県庁 プレスリリースより(PR TIMES)

これには現在表舞台への露出が比較的少なくなっている永野芽郁さんに比べて、6月中旬にはWOWOWの新作『ドラマW 三谷幸喜「おい、太宰」』の完成報告会に登場した田中圭さんの2人とも比較する人もいました。永野さんと田中さんの不倫問題についても、田中さん以上に永野さんを「男好き」「あざとい」として批判する声が絶えませんでした。 既婚男性と独身女性の不倫の場合、既婚男性は社会復帰できて独身女性側だけ罰を受けるということは世間一般でも芸能界でもしばしば起こります。それは往々にして、既婚男性のほうが年上で社会的立場が上のため、大きな後ろ盾から守られるからなのでしょう。今回の件で言えば、それは錦織さんのスポンサー企業ではないでしょうか。 このような男女間での不平等な処遇は政治の世界でも似た事例が見られます。玉木雄一郎議員の不倫報道の際には、既婚男性である玉木氏が「家族と話し合いを行った」として謝罪をし、その後大きな影響なく政治活動を続ける一方で、不倫相手の女性のプライベートには世間の厳しい視線が注がれました。これも芸能界同様、男性側が比較的容易に社会復帰を果たす一方で、女性側が世間的に大きなリスクを背負わされる典型的なケースと言えます。 不倫は個人の問題であり、錦織選手が本来謝罪すべきなのは観月さんとお子さんたちのみであることには変わりありません。そして錦織選手が既婚者であることを知っていて親密な仲になった大口さんにも非はあるでしょう。 しかし世界的なテニスプレーヤーは反省をしたから今までと変わらずにテニスができ、一方でモデルは後ろ指を指されることを懸念してか表舞台から姿を消すというのはあまりにも不平等な気がしてなりません。錦織選手が今まで通りに仕事ができるのであれば大口さんもできて然るべきだと思うのが自然なことでしょう。

「スポーツで信頼回復」は許されるのか

世間でこうしたスポーツ選手の女性関係の不祥事に批判の声が出るのは、昨年不同意性交容疑で逮捕されて不起訴となった佐野海舟選手が今年5月、サッカー日本代表に再び選出されたときも同様でした。
佐野海舟選手

佐野海舟選手
画像:ABEMA プレスリリースより(PRTIMES)

選出後の記者会見では「自分にできることを日々考え、サッカー面ではプレー、行動、言動で自分が出せるものを出し続けていきたい」とコメントした佐野選手。 しかしこの件について「アスリートは結果を残すならプライベートで何してもいいのか」「子どもに夢を与える立場を自覚しているなら選ばれても日本代表は辞退するべきだし、そもそも選ぶほうもおかしい」と批判的な意見も殺到しました。 錦織選手と佐野選手では不祥事の内容は違えど、2人とも「スポーツで信頼を取り戻す」「結果を残すことで行動を示す」といったコメントで再出発しようとしている点は同じです。 また不祥事の内容が錦織選手も佐野選手も女性関係ということもあって、復帰に対して拒否反応を示す人が多い様子でした。 「娘もサッカーをしているから佐野選手を選出した日本サッカー協会の判断には疑問が残る」「選手も男性、監督も男性、スポンサーの重役も男性なら結局こうなるんだろうな」「相手女性を悪者にすれば自分たちの利益は変わらないもんね」として協会やスポンサー企業が男性だからこそ、男性選手に甘い判断を下していると見る人も少なくありませんでした。 アジア男子史上初のグランドスラムシングルスファイナリストであり、世界ランキング自己最高位はシングルス4位という、間違いなく日本史上過去最高レベルの男子テニスプレーヤーである錦織圭選手。 日本を代表して世界で勝負する立場の世界的なスポーツ選手だからこそプライベートな問題を理由にキャリアを潰すべきではないと見るのか、多額を投じるスポンサーを抱え、子どもたちに夢を与える立場だからこそ復帰に厳しい目を向けるべきなのか。 「不倫してもスポーツで信頼を取り戻す」が成り立つのかという疑問への答えは、選手本人はもちろん、協会やチーム、スポンサー企業の動向でも見えてくるのではないでしょうか。 <文/エタノール純子>
エタノール純子
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中
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