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子どもに見せたくない「過激なエロ広告」が減った理由。“声を届けた人たち”が起こした変化とは

ネットを見ていると突然、性的な広告が目に飛び込んでくることがあります。子どもと一緒にスマホを見ているときや、ゲームの合間に表示されて「これはちょっと……」と戸惑ったことがある人も多いのではないでしょうか。
子どもと一緒にスマホを見る母親 正面

写真はイメージです(以下、同じ)

そんな中、電子コミック大手11社が加盟する「日本電子書店連合(JEBA)」が、4月末から性行為や裸、胸などが描写された電子コミックの広告を全年齢向けサイトでは掲載しないようにしたことが、6月4日の読売新聞で報じられました。 この背景には、性的な広告について「子どもに見せたくない」「関係ないサイトで表示するのをやめてほしい」といった苦情がJARO(公益社団法人 日本広告審査機構)に多く寄せられ、JAROがその数や内容を日本電子書店連合に伝えた、という経緯がありました。 こうした広告について、JAROには実際どんな苦情が寄せられ、どのように対応してきたのでしょうか? JAROの川名周事務局長に詳しく聞きました。

「JAROってなんじゃろ?」と思った人へ

今回のニュースを見て「JAROって具体的に何をしているんだっけ?」と思った方も多いのでは? 私たちの身の回りの広告に深く関わっている団体であるJAROですが、かつて「JAROってなんじゃろ?」というCMが流れていたように、その活動内容は意外に知られていません。 スマホを眺めながら考える女性JAROは、広告に対する苦情や意見を受け付け、広告を確認したうえで広告主に伝えて自主的な改善を促す、民間の自主規制団体です。苦情や意見は、JAROのホームページの送信フォームや、電話、郵送、FAXで受け付けています。

「子どもに見せたくない」様々な立場から寄せられた“声”

川名さんによると、性的な広告に関する苦情は以前から年間300件前後寄せられており、「不快」「子どもに見せたくない」といった声が男女問わず届いていたといいます。 目隠し 女の子とくに2024年度には、苦情が前年比の2倍近くとなる705件に急増。この背景には、同年9月から始まった性的ネット広告に対するゾーニング(見る人の年齢や環境に合わせて、広告やコンテンツを表示する場所や時間を分けること)を求める署名活動の影響もあるとみられます。署名活動によって、JAROが苦情の窓口として広く認知されたことが件数増加の一因となったようです。 「苦情の内容としては、ご自身のお子さんが目にすることへの懸念や、お子さんと一緒にいるときに性的広告を目にしてしまったという声。また子どもへの影響について言及する方など、色々なご意見がありました。女性が多かったですが、男性からも沢山の声がありました」(川名さん、以下「」内同)
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漫画の性的な広告が「減った」動きのきっかけは
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