Entertainment

意外にも朝ドラ初出演!44歳俳優の『あんぱん』登場が“最高にエモい”ワケ。ちょうど人気ドラマの再放送も

平成的でありながら令和に新たな存在感を刻む

NHK『あんぱん』©︎NHK 歴史といっては少々大げさなら、現在44歳の妻夫木聡の俳優歴を懐かしむくらいがいいかもしれない。この間、『世にも奇妙な物語35周年SP〜伝説の名作 一夜限りの復活編〜』(フジテレビ系、5月31日放送回)で歴代人気の過去作として妻夫木主演「美女缶」(2005年)が放送されていた。  妻夫木演じる主人公が、タイトルにある美女缶なる代物を手に入れて自宅の浴槽で理想の女性を誕生させる。現代のコンプラ的にはいろいろ怪しい物語ながら、ネット上では懐かしいという声が散見された。平成世代の視聴者ならなおさらのこと。同作放送がエモかったのではないか。  妻夫木に対するエモ機運のちょっとした祝祭ムードをさらに盛り上げてくれたのが、今田美桜主演の朝ドラ『あんぱん』への出演である。  第10週第50回ラスト、北村匠海演じる二等兵・柳井嵩がまごついているところへ、画面奥からかつかつ靴音を鳴らして妻夫木演じる上等兵・八木信之介が初登場した。嵩を「気を引き締めろ!」としかり付け、踵を返してまた画面奥にかつかつ戻っていく。  廊下を歩いてきて初登場して、廊下を歩いて戻って画面からフレームアウトする。この往復にはどこか内に秘めた気だるさがあり、それは平成を象徴する妻夫木がまとう気だるい空気感の延長にあるのかもしれないと思った。  それでいて演技はガツンと明確。意外にも朝ドラ初出演だというこの初出演回が「美女缶」放送後ということもあり、平成的でもありながら令和に新たな存在感を刻もうとする意気込みを感じる。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ