朝ドラ『あんぱん』告白シーンの表情が“完璧”だった27歳俳優「腰を抜かすくらいうまい」
朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)で、北村匠海が主人公・若松のぶ(今田美桜)と夫婦になる柳井嵩役を演じている。この演技がうま過ぎる……。
どうしてそんな表情ができるのか、腰を抜かすくらいうまい。感情を抑制させながらも視聴者の心をつかむエモーショナルな名演。
男性俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、北村匠海のうま過ぎる演技を解説する。
柳井嵩役を演じる北村匠海は、どうしてこんなに演技を抑制しながらも、エモーショナルな状態を保っていられるのか。そう、抑制である。
本作の北村は柳井嵩役を演じる上であらゆる感情を抑えて、控えめなのに視聴者の心をぐっとつかんではなさない。
何度でも言おう。うま過ぎる……。たとえば、高知新報に入社したのぶと嵩が雑誌編集部の取材で上京する第16週第76回。荒廃した東京を彷徨う孤児がのぶのカメラを盗もうとする。取り返そうとするものの、他の孤児に足をひっかけられて、嵩は出遅れてしまう。
路地から路地へのぶは孤児を追いかける。路地の途中でカメラを取り返してくれたのは、身銭をきって孤児たちを支援する八木信之助(妻夫木聡)だった。戦中、嵩は八木と同じ部隊に配属され、「気を引き締めろ!」と喝を入れられたことがある。
追いついた嵩が八木を見て「八木上等兵」とぼそり。戦中はいろいろお世話になった。八木との再会は嬉しさ半分、驚き半分。いや、驚きの方が上回っているはずなのに、嵩は感情を抑えてぼそりつぶやくだけ。
これがのぶなら土佐弁で感嘆を表す「たまるか」と言って、驚きの感情を全身で表現するだろう。でも嵩はそうしない。小さい頃から繊細で引っ込み思案な性格だからといえばそうなのだが、ここまで抑制を保つ北村の演技を見ていると、ただ単に嵩役の控えめな性格を演じているだけとは思えない。
腰を抜かすくらいうまい演技
抑制を保つ北村匠海の演技
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