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「父親のふりをする男」が5歳の娘を連れ去ろうと…ショッピングモールの“魔の構造”が生んだ、わずか5分の恐怖

「違うでしょ、その子の名前!」叫ぶ高齢女性

ショッピングモール③

画像はイメージです。※画像生成にAIを使用しています

そのとき、別の方向から我が子らしき泣き声が。同時に、声を張り上げる高齢の女性の声も聞こえてきました。急いで夫婦そろってその場所に駆け寄ると、目に飛び込んできたのはひとりの男性と言い争いをする高齢の女性と、20代後半から30代ほどの男性。そして、男性は泣きじゃくる娘さんを抱きかかえていたそう。 「だからお名前が違うでしょ!」 「自分の子の名前を間違う親が、どこにいるんですか!」と大きな声で、男性を問い詰める高齢の女性。一体この状況とは。 「私たちが駆け寄るとその男は娘を乱暴におろして走り去りました。なんでも、さっき逃げた男性が“父親のふり”をして娘に話しかけて、そのまま連れ去ろうとしていたそうなんです。娘があまりにも嫌がって泣くので、不審に思って娘の名前や年齢を尋ねたそうです。すると、靴のかかとのところにある名前と、男性が言った名前が違うと」 怪しんだ婦人は、子供の年齢を尋ねました。 「男性が答えるまでに間があったり、視線が泳いでいたりと様子が不自然だったそうです。不審に思った女性はさらに問い詰めました。ご婦人いわく、『おせっかいかと思ったけれど、あまりにもお子さんの態度に違和感があって』と話していました」

あくまで“父親”と偽った男性。実際に痛ましい事件も……

その男性は、泣きじゃくる綿貫さんの娘さんに、「ほらママはおトイレだから!パパとゲームセンターで待っていよう!」とまるで周囲に“あたかも子供にダダをこねられて困っているパパ”をアピールするように話していたそうです。 「これって誘拐未遂ですよね。近くに夫もいたし、まさかこんなことが起きるなんて。周りからジロジロ見られながらも、男性に何度も声をかけてくださったご婦人に本当に感謝しています。あの方がいなかったら、今頃娘はここにいなかったかもしれません。わずかな距離でも、子供から目を離した罪悪感を感じますし、同時に、『こんな距離でも目が離せないの……?』という恐怖感を感じました」 実際に、2011年に熊本県では両親と5歳の兄とスーパーに買い物に来ていた3歳の女の子が被害にあった熊本3歳女児殺害事件という痛ましい事件が起きています。不審な男が女の子を障害者用トイレに連れ込み、性加害をしたのちに殺害。そしてわずか15分後、男はリュックサックに小さな遺体を入れて、近くの排水路に遺棄したのです。
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どこにもあるショッピングモールの“魔の構造”とは
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