仕事でパソコン、プライベートではスマホ。タイパにエネパで、動画を見るときは倍速……これでは脳は休めません。世の中が便利になりすぎて、現代人は「待つ」「ぼんやりする」といった隙間時間すら持てなくなったのです。
交感神経が優位になりっぱなしの脳は、体が休養体勢に入ったとしても、ギンギンに冴えたままです。本書によると、疲労のもととなるのはストレス。しかも現代のストレスは多様化していて、「暑さ、寒さ、騒音や人ごみ」で感じる「物理的ストレッサー」から、「人間関係、家族関係、金銭問題」で感じる「社会的ストレッサー」まで、合計5つあるといいます。
ストレスが引き金となって免疫力が落ちてしまい、自律神経も乱れがちに。こうなるともう、ただ静かに休養するだけでは自分を保てない、と思いませんか。
国民性なのか、日本人は休むのが得意ではありません。「休養しているつもりでも、翌日50%しか回復できていない」と片野先生は指摘します。
残りの50%をリカバリーするのが、本書が薦める「攻めの休養」7タイプ。新たな休養サイクルである「①活動→②疲労→③休養→④活力」の活力の部分です。
単純に、自分が一番くつろげる行動にフォーカスするのがわかりやすいです。
●生理的休養
とにかく何もせずに休みたいのであれば「
休息タイプ」。
体をゆるめたい、動かしたいという人は「
運動タイプ」。
胃腸の負担を抑える軽い食事は「
栄養タイプ」です。
休息は1日中ゴロゴロではなくメリハリをつけるのが効果的。運動はヨガやストレッチ、軽い散歩などゆるやかなものがおススメだそうです。
●心理的休養
ペットや家族とふれあう「
親交タイプ」、
推し活に代表されるのが「
娯楽タイプ」、
創作活動やDIYに取り組む「
造形・想像タイプ」。
大好きなペット、趣味の活動に没頭することで明日への活力がわいてきそうですよね。
●社会的休養
部屋の模様替えをする、旅行に行くといった「
転換タイプ」も、気分転換や断捨離効果もあり、一石二鳥になりそうです。