⇒店舗・季節の限定品や海外エッセンスを取り入れたお菓子を積極的に生み出す

2008年に登場した京都限定の小形羊羹「白味噌」と「黒豆黄粉」。季節限定で登場する「新栗」も比較的新しい商品
とらやと言えば、竹皮に包まれた大きな煉羊羹。その歴史は大切に受け継がれながらも、個包装タイプの小形羊羹はなんと1930年に登場しているのです。この小形羊羹を詳しく見ていくと、とらやの進化や斬新さを実感できます。
例えば2008年に登場した京都限定の小形羊羹「白味噌」と「黒豆黄粉」は、繊細な風味や香りが特長のレア商品。他にも空港限定の「空の旅(白小豆を散らした紅色の煉羊羹)」は知る人ぞ知るロングセラー商品で、国内外問わず旅先への手土産として愛されています。
さらには、季節やイベントに合わせた限定品の「新栗(秋)」、「ラムレーズン(バレンタイン)」、「珈琲(父の日)」など、斬新さを感じる羊羹が豊富にそろい飽きることはありません。
過去には有名洋菓子店「ピエール・エルメ」とコラボした小形羊羹もありました。今年はパリ店45周年を記念した「小形羊羹 ポムカルバドス」が9月19日から販売予定で、西洋文化とのコラボにも積極的です。

パリ店45周年を記念して9月19日から期間限定販売される「小形羊羹 ポムカルバドス」
ここでは小形羊羹のみの話になりますが、“とらやの和菓子は古い”という概念は一切なく、常に成長を続ける老舗和菓子店のトップランナーであることは間違いありません。
⇒とらやの唯一無二感を味わいたいなら、「和菓子オートクチュール」がオススメ

子どもの進学祝いのタイミングでオーダーした「和菓子オートクチュール」
とらやが老舗和菓子店として確かな存在感を放っていることは、多くの方々が認めていることでしょう。
その上でさらなる特別感を体験するなら、「和菓子オートクチュール」がオススメです。これはお客のニーズや要望に合わせて、専門職人がオリジナルの和菓子を作るという商品・サービスのこと。私は子どもの進学祝いの際にオーダーをした経験があり、忘れられない大切な思い出になっています。
まずは想いや使い道などを伝える打ち合わせからスタート。図案や試作品を確認しながら、2か月以上をかけて作り上げていく流れになります。
我が家では未就学児の気持ちを丁寧にくみ取って作ってくださったとらやさんの姿勢に、家族全員が深い感銘を受けました。大切な記念日や節目にふさわしい、至高の和菓子だと断言できます。
そして最後に、とらやは海外でも輝いているという実感レポートを少しだけ……。私は先日、今年の10月に45周年を迎えるパリ店を訪問しました。店内は大盛況。フランス人はもちろんのこと、パリを訪れた海外観光客がかき氷や上生菓子をうれしそうに味わっている光景は、日本人として胸を打つものがありました。
X上での炎上問題をきっかけに、心を込めてとらやの魅力をご紹介させていただきました。そしてさらに視野を広げ、日本の和菓子が今後ますます世界中で愛されることを、心から願っています。

10月に45周年を迎えるとらやパリ店を訪問。和菓子は海外でも大人気です
<文・撮影/スギアカツキ>