
NiziU 画像:HJホールディングス株式会社 プレスリリースより(PRTIMES)
今回の騒動ではME:Iの存続を心配する声も多く聞かれています。その中で少なからず比較されるのが、同じようにオーディション番組から誕生したK-POP路線の9人組ガールズグループNiziUです。しかしNiziUは2020年のデビュー直後こそMIIHIさんが体調不良により活動を休止しましたが、2か月後に復帰しました。それ以来メンバーは9人欠けることなく、恋愛スキャンダルもなく活動。
今年2月にリリースした1stミニアルバム『AWAKE』がチャート1位を獲得したことでアルバム1枚目から4作連続1位を獲得し、女性グループでは史上3組目の偉業も達成しました。さらに今年9月からは全国21都市で全32公演の全国ホールツアーも開催中です。
高いクオリティの歌とダンスに加えて、スキャンダルもなく、メンバー9人が絆を深めながら同じ目標に向かって前進している姿が固定ファンをしっかり掴み、アーティストとして安定期に入っています。
それもそのはず、NiziUの所属事務所である韓国大手のJYPエンターテインメントでは、シンガーソングライターでもある代表のパク・ジニョン氏が「3年間恋愛禁止」「会社のルールを守らなければ活動させない」「練習生のときから厳格な自己管理」といった事務所ルールを守らせていることも有名です。

TWICE 画像:株式会社第一興商 プレスリリースより(PRTIMES)
実際にJYPエンターテインメントの看板アーティストであるTWICEも活動休止をしたメンバーもいましたが、ここまで9人誰も欠けることなく、先日デビュー10周年を迎えました。恋愛事情が報道されたメンバーもいましたが、事務所のルールは守り、さらにアイドルとしてたしかな実力を見せている中での報道だったためにファンからは応援の声も多かったです。
JYPエンターテインメントのアーティストを見ているとグループとして息が長いだけでなく、メンバー同士の仲の良さや絆、ファンや周囲への感謝の気持ちが溢れている姿が印象的です。これは単に「事務所のルールを守る」「言われたことをすればいい」ということではなく、自分たちの行動がファンに何を感じさせ、パフォーマンスに繋がり、グループ全体や他のメンバーにどんな影響を及ぼすのかを理解しているためだと推測できます。
それは自身もプロのアーティストとして芸能やアイドル業界を知り尽くした、代表のパク・ジニョン氏がもつプロ意識と精神性の賜物でしょう。
止まらないK-POPブームやオーディション番組の盛り上がりに、多くの芸能事務所が力を注ぎたいと思うのも当然です。しかし、この間まで素人だった若者へのアイドル教育ができていない事務所がグループを量産しても、結果的にファンのみならず、メンバーの人生をも狂わせてしまう可能性があるのではないでしょうか。
今回のJO1とME:Iの騒動で所属事務所の怠慢が露わになってしまった感は否めません。スキャンダルの当人たちはもちろん、他のメンバーたちへのケアや教育、グループとしての方針転換などこれからの事務所の方向性には注視していきたいところです。
<文/エタノール純子>
エタノール純子
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中