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44歳・元テレ朝アナ、ハワイ移住して突如“主夫のいる暮らし”に。心境をつづる「なんという贅沢!」

「無償の愛」で共働き家庭を支える「おばあちゃん」の存在

大木優紀さん さらに言えば、その先にいる“おばあちゃん”の存在も、忘れてはいけないと思うんです。  私の母はずっと専業主婦でした。いま孫は6人。私は3兄弟なんですが、私たち3家庭はすべて共働きなので、母は文字通りフル稼働。「おばあちゃんの予約表つくったほうがいいんじゃない?」と思うほど、誰かが困るたびに母が駆けつけてくれる。  間違いなく、母が3世帯の共働きを陰で支えてくれているんです。  でも、共働きが当たり前になって、現役世代の定年延長が進むと、今のおばあちゃん世代のような“育児にコミットできる祖父母”は将来的に確実に減っていく。家庭のなかに存在していた“サポートのリソース”が、確実に消えていく未来が見えているんです。  もちろんその分行政サービスや制度などは整いつつあるんですが、かつて専業主婦やおばあちゃんが担っていてくれた「無償の愛による柔軟な対応」の穴はそう簡単に埋められない。  ライフスタイルが変わって、家庭にフルコミットをする人の存在価値を改めて感じました。

家事や育児にフルコミットすることにも社会的な価値がある

 もちろん、社会全体で働くことはいいことだし、日本経済のためにも不可欠です。私自身、誰もが自分の働き方を選べる今の時代は、とても健全だと思っています。  ただ、その一方で専業主婦、そしてその先にいる“おばあちゃん”という無償の愛によるサポートの存在には、やはり計り知れない価値があるのだと、ハワイでの暮らしを通して強く感じました。  だからといって、「女性は家にいるべき」という考えを推したいわけではもちろんありません。ただ、今の時代だからこそ、逆に「家事や育児にフルコミットする」という選択も、社会的に大きな意味を持つのだと思います。  働くことも、家庭を支えることもどちらにも価値がある。どちらの選択にも誇りを持っていい。  新しい生活の中で、私自身もこれまで持っていなかった観点に気づき、“人としての幅”が広がったように思います。 【Voicyで聴く】⇒音声版「大木優紀の旅の恥はかき捨てて」 <文/大木優紀>
大木優紀
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母
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