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「君のため」が口癖の45歳“モンスター上司”に追い詰められて…。仮面をかぶった支配欲に巻き込まれないためには

友達でも気をつけて!“味方”の顔をしたマニピュレーター

職場にひとりはいる“空気で支配する上司”。しかし、マニピュレーターは仕事だけに潜んでいるわけではありません。むしろもっと身近で、もっと気づきにくい形で、友人の顔をして心に入り込んでくるタイプもいます。続いて紹介するのは、まさにその“身近すぎて逃げられない”ケースです。 学生時代から十年以上付き合いのある友人・B子さん。吉田美穂さん(仮名・34歳/会社員)はずっと、彼女を“味方”だと思っていました。 「B子はいつも決まり文句のように、『あなたのために言うけど』と切り出して、周囲の悪口を私に伝えてくるんです。『みんな表ではあなたと仲良くしてるくせに、裏であんなこと言ってる』と。なんだかんだ私以上に怒ってくれるので、彼女のことを信じていました」 1221_マニピュレーター③しかしその親切は、吉田さんの日常を少しずつ蝕んでいきます。「気づけば、周囲の人が全員敵に見えるようになっていたんです。今思えば、B子自身の不満を“誰かの言葉”として私にぶつけていたんだと思います」 距離を置き始めると、B子さんからの連絡は一気に増えました。 「『あの人たち、またあなたの悪口を言っていたから注意したよ』『ストーリーも削除させたから安心して』『陰でこそこそとか、やることが陰湿だよね』と、次々と送られてきました」 不安を煽り、助けるふりをしながら、相手を縛りつける。これはマニピュレーターがよくやる手口です。吉田さんは悪口を言っていたという相手に直接確認しました。「完全に嘘でした。むしろその子は『吉田さんがあなたの悪口を言っていた』とB子から言われていたんです」 その瞬間、すべてがつながりました。 「B子は結局、私の世界から“自分以外の人間”を全部消そうとしていたんだと思います。誰かの悪口を伝えるのも、私の不安を煽るのも、孤立させるためだった。そこまでして支配したかった理由は本人にしか分かりませんが……。B子とはこの取材を受ける2か月ほど前からゆっくり疎遠にしていたのですが、最近またメッセージが届いたんです。『あなた〇〇さんから、またしつこく悪口を言われているよ』と、相手の名前を変えて何通も送ってきたときは、怖さよりも気味の悪さのほうが勝ちました」 吉田さんは現在、B子さんとは距離を置いて生活しています。

「優しさ」が支配に変わる瞬間

彼らの根底には、“相手を道具にしてでも、自分の価値を確かめたい”という歪んだ安心欲求があります。優しさは仮面で、寄り添いは支配の布石。恋人・友人・上司など、あらゆる関係に紛れ込み、相手の心を握ろうとします。 そしてなにより厄介なのは、マニピュレーターはどこにでもいるし、見た目では判断できないということです。家族、職場、友人、ママ友など、優しい顔をしてあなたの隙間に入り込み、気づけば自己肯定感だけが削られていく。 だからこそ、「この人と離れた日のほうが呼吸がしやすい」という場合は要注意です。そんな小さなサインを見逃さないでください。 <取材・文/青山ゆずこ>
青山ゆずこ
漫画家・ライター。雑誌の記者として活動しつつ、認知症に向き合う祖父母と25歳から同居。著書に、約7年間の在宅介護を綴ったノンフィクション漫画『ばーちゃんがゴリラになっちゃった。』(徳間書店)、精神科診療のなぞに迫る『【心の病】はこうして治る まんがルポ 精神科医に行ってみた!』(扶桑社)。介護経験を踏まえ、ヤングケアラーと呼ばれる子どもたちをテーマに取材を進めている。Twitter:@yuzubird
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