「君のため」が口癖の45歳“モンスター上司”に追い詰められて…。仮面をかぶった支配欲に巻き込まれないためには
友達でも気をつけて!“味方”の顔をしたマニピュレーター
しかしその親切は、吉田さんの日常を少しずつ蝕んでいきます。「気づけば、周囲の人が全員敵に見えるようになっていたんです。今思えば、B子自身の不満を“誰かの言葉”として私にぶつけていたんだと思います」
距離を置き始めると、B子さんからの連絡は一気に増えました。
「『あの人たち、またあなたの悪口を言っていたから注意したよ』『ストーリーも削除させたから安心して』『陰でこそこそとか、やることが陰湿だよね』と、次々と送られてきました」
不安を煽り、助けるふりをしながら、相手を縛りつける。これはマニピュレーターがよくやる手口です。吉田さんは悪口を言っていたという相手に直接確認しました。「完全に嘘でした。むしろその子は『吉田さんがあなたの悪口を言っていた』とB子から言われていたんです」
その瞬間、すべてがつながりました。
「B子は結局、私の世界から“自分以外の人間”を全部消そうとしていたんだと思います。誰かの悪口を伝えるのも、私の不安を煽るのも、孤立させるためだった。そこまでして支配したかった理由は本人にしか分かりませんが……。B子とはこの取材を受ける2か月ほど前からゆっくり疎遠にしていたのですが、最近またメッセージが届いたんです。『あなた〇〇さんから、またしつこく悪口を言われているよ』と、相手の名前を変えて何通も送ってきたときは、怖さよりも気味の悪さのほうが勝ちました」
吉田さんは現在、B子さんとは距離を置いて生活しています。
「優しさ」が支配に変わる瞬間
青山ゆずこ
漫画家・ライター。雑誌の記者として活動しつつ、認知症に向き合う祖父母と25歳から同居。著書に、約7年間の在宅介護を綴ったノンフィクション漫画『ばーちゃんがゴリラになっちゃった。』(徳間書店)、精神科診療のなぞに迫る『【心の病】はこうして治る まんがルポ 精神科医に行ってみた!』(扶桑社)。介護経験を踏まえ、ヤングケアラーと呼ばれる子どもたちをテーマに取材を進めている。Twitter:@yuzubird
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