――ほかに大変なことはありますか?
やまとじ:いろいろなお客様がいるので、当たりの強い方であったり、酔っぱらっているお客様だったり、そういった方々が車内でなにかトラブルを起こしたら全部処理しないといけないのも大変です。
――わかります。困った人がいると、我々が頼るのは乗務員さんや駅員さんです。要するに、丸投げで対処をお願いしている。以前、女性の駅員さんが泣きながらトラブルに対応していたのを見たことがあります。
やまとじ:そういうケースもありますね。以前、私の同僚に女性の車掌がいたのですが、その人は男性の撮り鉄さんにまとわりつかれ、動画をこっそり撮られてYouTubeに上げられていました。悩んだ末に、1年後に退職してしまったのですが……。
――それは、神経が参ってしまいますね……。撮り鉄にはマナーを守る人もいれば、トラブルを起こす人もいます。やまとじさんは撮り鉄さんにネガティブな気持ちを抱いていますか?
やまとじ:僕はネガティブな気持ちはないのですが、運転台のうしろに張り付いて、僕の顔がはっきり写るレベルの画像をネットにあげる撮り鉄さんも中にはいました。
――それは困ってしまいますね……。
やまとじ:そうですね。でも、ちょっとイライラしていたらもろにバレてしまいますし、「万が一、なにかミスを犯したらすぐに広まってしまう」といらぬ緊張をしてしまうこともあります。

※イメージです
――「こういう人は鉄道乗務員に向いている」「こんな人は長続きする」というタイプは?
やまとじ:真面目なのはいいのですが、真面目すぎる人ほどストレスを抱え込んだり、トラブルに落ち込んでしまいがちです。なので、いい意味で流せるタイプの人が長続きしやすいと思います。事実、自分はうつ病になってしまった人を何人か見てきました。運転士や乗務員、駅員はストレスのかかる大変な仕事ではあります。
ただ、めちゃめちゃしんどくはあるのですが、やりがいはあります。一日に何百、何千人のお客さんを安全に運び、たまに「ありがとう」と言ってもらえる。「誰かの役に立っているのだな」という気持ちになりますね。
――慣れれば、楽しくやりがいのある仕事ということですね。
やまとじ:はい。特に、僕は小さい頃の夢が電車の運転士でしたし、電車が好きでした。そんな子ども頃の夢を叶えているという充実感はあります。
――やまとじさんのような「好き」の気持ちを持つ人には、ぜひチャレンジしてほしい?
やまとじ:はい。試験などが難しかったりハードルは高いですが、ぜひ目指してほしいです。
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鉄道の写真を撮る撮り鉄だけでなく、運転士や車掌の写真をネットにアップする撮り鉄がいるとは知りませんでした。鉄道マンも一人の人間なので、さぞかし怖かったでしょうね……。
さらには、体調管理や人間関係についても鉄道会社ならではの気苦労もあるようです。「ハードな仕事だ」という噂は、決して間違ってはいなかったということ。
その一方で、やりがいや喜びが感じられる仕事であるのもまた事実。良い面と大変な面の両方を知ったうえで、「やっぱり鉄道会社に勤めたい」と思う人はチャレンジしてみてもいいかもしれません。
<取材・文/寺西ジャジューカ>