朝ドラ『風、薫る』はむしろ“風通しが悪い”と言えるワケ。ひたすら閉塞感ただよう第一週を解説
1882年を吹き抜けるアメリカ帰りの風
本作の物語が始まる1882年は暗い話題ばかりではなかった。同年は、1871年に欧米を視察するために派遣された、岩倉使節団が帰国した年でもある。 その中に最年少(なんと6歳!)の津田梅子がいた。日本初の女子留学生であり、1900年、後の津田塾大学となる女子英学塾を設立した偉大な人物だ。 帰国した津田は日本語をほとんど忘れていた。使節団メンバーの一人(派遣当時、11歳)で、本作第5回で初登場する大山捨松(多部未華子)もそうだった。 彼女が話すカタコトの日本語を聞いて、ネット上では思わず、朝ドラ前作『ばけばけ』の八雲(トミー・バストウ)を思わせるという視聴者コメントも多い。 捨松が、陸軍卿・大山巌(高嶋政宏)と結婚する鹿鳴館のパーティ場面(1883年)は、本作が始まって以来、初めての明るい話題だったともいえる。 語りを担当するとともに、怪しげな占い師役で出演する研ナオコが「二人にも風が吹くぞ」とシーン間で繋ぐように、1882年を吹き抜けるアメリカ帰りの風が、主人公たちの背中を強く押していくことになるのだ。 <文/加賀谷健>
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