JINは除隊から5日目に、BTS公式YouTubeチャンネル「BANGTANTV」内のソロコーナー「Run JIN」初回エピソードの撮影を敢行。韓国の最高峰ハルラサンを登頂した。他のメンバーにしろ、2025年6月11日に除隊した、グクミンことJIMINとJUNGKOOKは、除隊から4日後に(なかばどっきりで)旅番組『Are You Sure?!』シーズン2の収録を行っている。
同番組がDisney+で世界配信されたのは同年12月3日。驚くべきスケジュール感だ。
BTSメンバー7人全員の除隊が完了したのは、SUGAの除隊日である2025年6月21日だった。カムバックに向け、メンバーたちはロサンゼルスに集結した。そこで5thアルバム『ARIRANG』制作に取りかかる様子を、『BTS:THE RETURN』のカメラが記録している。
『ARIRANG』はリリース後、全米アルバムチャート、シングルチャートともに1位。凄まじい勢いでチャートアクションを展開し、約7年ぶりの来日公演が4月17日と18日に迫る中、さまざまなメディアで必ずといっていいほど、「世界的ボーイズグループ」と枕詞をつけるBTSのいったい、何がそんなにすごいのか?
世界中、誰もが聴いたことがあるだろう、あの軽快なディスコ調ナンバー「Dynamite」が、2020年の全米シングルチャートで1位に輝く歴史的快挙を成し遂げたからか。
アルバム『BE』収録曲「Life Goes On」もまた、韓国語曲(英語以外の曲)として初めて同チャート1位になり、第63回から65回までのグラミー賞で3年連続ノミネートされた。
今回、『ARIRANG』のタイトル曲「SWIM」が1位になったことで、「Dynamite」以来、通算7曲がチャートを制覇したことになる。比類なき戦略とスター性に裏打ちされている、すべての功績がすごすぎる。
彼らは世界のアイコン的存在であり、今や「21世紀のビートルズ」と言われることだってある。歴史を更新し続けることは並大抵のことではない。(そんなことあり得ないとわかりつつ)、そこでこんな疑問を浮かべてみた。
もし、JINが復活の火に薪をくべ続けなかったら?
除隊後、2024年のパリオリンピックで聖火ランナーにもなった彼は、どれほど孤独な活動の中でも復活の瞬間まで決して火をたやさず、「世界的」という重圧に対して身を挺してグループを守った。
そういうメンバーが常駐していること。何とも素朴だが、実はこれこそ、BTSが世界的であり続ける理由だったりするのではないか? 2025年8月、世界ツアーを完走したJINが一人遅れて合流するところから始まる『BTS:THE RETURN』冒頭を見て、そんなことを思う。
黒み画面に「A NETFLIX DOCUMENTARY」という字幕がフェードインする。編集上のタイミングとはいえ、画面奥から盛んに「ハロー!」と美しく人懐こい美声を響かせたのは誰だったか。JINだ。その声が、作品全体の通奏低音になっていることに深く感動するのだ。
2025年に出演した、Netflix番組『キアンの破天荒ゲストハウス』では、韓国のWEB漫画家キアン84が主人となる民宿の従業員として働いた。主人を献身的に支えたJINはキアンからこう呼ばれた。「世界の精神的支柱」。
BTSには「世界の精神的支柱」と呼ばれるメンバーがいること。それこそがBTSの凄さなのだと思う。
<文/加賀谷健>
加賀谷健
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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