
ピックルボールのパドルとボール
ピックルボールに馴染みのない方も多いかもしれません。ピックルボールは、テニスの戦略性に、バドミントンの手軽さ、さらに卓球のような繊細さを掛け合わせたようなスポーツと言われています。
コートのサイズは、テニスコートの3分の1ほど。使うのは、表面に小さな穴がたくさん開いたプラスチック製のボールで、見た目は“大きな穴あき卓球ボール”のような感じです。実際に打つと、「カコン、カコン」と独特の軽やかな音が響きます。
この“穴”が実はポイント。空気を通してしまうので、テニスボールほどスピードが出ません。だからこそ、私のように長らく運動から遠ざかっていた人間でも、始めて30分ほどでラリーが続き、なんとなく試合らしいものが成立してしまうんです。
この「すぐ楽しめる」という手軽さこそ、人気の理由のひとつ。ハワイでは健康志向の人が多く、シニア世代もとてもアクティブですが、ピックルボールは体への負担が比較的少ないスポーツとしても支持されているようです。
ピックルのコートは、テニスコートほど広くないため、走り回る必要もありません。腰や膝への負担も抑えつつも、本気の勝負ができる。そのバランスが、多くの人を虜にさせているスポーツなのかもしれません。
実は私たち家族も、ハワイに来てあまりにもピックルボールが流行っているので、「家族4人でダブルスができたら楽しそう!」と思い、思い切って始めてみることにしました。
始めたいと思ってもどうやってやるのか、さっぱりわからず。ちょうどそんなとき、公園局が公営コートで開催している初心者向けの無料講座があったので、申し込んでみることに。私と夫は大人コース、子どもたちは子どもコースに分かれ、週1回・全10回ほど、基本を教えてもらいました。
コーチは、地元のおじいちゃん先生。穏やかな雰囲気なのかな……と思いきや、意外にもスパルタコーチでした(笑)。
実際にやってみると、ピックルボールは気軽に始められる一方で、かなり戦略性の高いスポーツでもあるんです。
特にダブルスでは、「どこに立つか」がとても重要。初心者は、サーブを打ったあとにしっかり前へ詰めなければならないとのことなんですが、私がぼーっと後ろに立っていると、コーチからすかさず、「カムイン~!!(中に入れ~!)」と大声で注意が飛んできて(笑)。
どこにボールを打つのか。相手はどこへ返してくるのか。そんなことを瞬時に考えながら動く必要があり、見た目以上に頭を使うスポーツなんだなと実感しました。
“簡単に始められるのに、やればやるほど奥が深い”――。ピックルボール人気の理由は、そんなところにもあるのかもしれません。