『離婚するなら、今日かもしれない』タイトルに込めた思い
本作はKADOKAWAが手掛けるコミックエッセイシリーズ「シリーズ立ち行かないわたしたち」からリリースされている。ゆりゆさんは同シリーズで新人賞を獲得したことを受け、担当編集者から「若年離婚をテーマに作品を描きませんか?」とオファーされたことが、本作を制作するきっかけになったという。ただ、制作には不安もあったようだ。
「『シリーズ立ち行かないわたしたち』の作品は重いテーマを扱うことが多いです。普段私が描く漫画は比較的明るいテイストで、ギャグも多いので、『私で大丈夫かな』という気持ちはありました」
また、『離婚するなら、今日かもしれない』という、目を引くタイトルになった経緯を振り返る。
「離婚って『この関係をこのまま続けるわけにはいかないよね』という思いを抱きながらも、何年もズルズルと何もできずにいるケースが多いと思います。離婚に踏み出せずに悩んでいる人たちが、『その決断をするのは今日かもしれないのでは?』とハッとするようなものになればと思い、このタイトルになりました」
主人公が1人でも2人でもなく3人登場する理由について、ゆりゆさんは「コミックエッセイは“共感”がとても大事だと思っています」と答える。
「主人公が3人いれば、その誰かには共感できると思います。仮に自分自身と重ねられなくても、近しい性格・境遇の人が身近にいるはずです。読者に登場人物を身近に感じてもらえるよう、3人登場させました。
また、友達同士にすることで3人が抱えている悩みもわかりやすくなりますし、なにより『誰もが表面的には幸せそうに見えているけれど、裏では葛藤や悩みを抱えているのかも?』ということが伝われば、と考えたことも影響しています」
登場人物で言えば、各主人公の夫も登場するが、いずれも名前がない。名前を設けず“○○の夫”とした狙いは何なのか。
「『登場人物全員の名前を覚えられないのでは?』と危惧しました。あとは、女性が主役の作品で、本作における夫はあくまで“夫”という存在です。名前があると物語のノイズにもなりそうだったため、名前は付けませんでした」