1992年放送の大河ドラマ『信長 KING OF ZIPANGU』第1回は、1582年に長崎を出港した天正遣欧少年使節が長い船旅を経て、1585年に教皇グレゴリウス13世に謁見する場面から始まる。
同作で主人公・織田信長を演じていたのが、当時25歳の緒形直人である。さらに緒形直人の父であり、緒形敦の祖父である緒形拳は、1965年放送の大河ドラマ『太閤記』で豊臣秀吉を演じた。1982年(本能寺の変から400年後!)の『峠の群像』でも主演を務めた。
俳優父子が大河ドラマで主演になったことはテレビドラマ史の記録。さらに孫の代まで出演を果たすという、これは大河ドラマ史の俳優一門だと言っていいだろう。
警視庁の広報課を舞台とするドラマ『東京P.D.警視庁広報2係』(フジテレビ系、2026年)は緒形直人と緒形敦にとって地上波連ドラ初共演作だったが、父が演じる役の回想場面をまるで過去の再現映像のように演じた緒形敦は、これこそ一門の者にしかできない演技を誇った。
<文/加賀谷健>