――アマットル・キナさんがバリ島に移住したきっかけは何でしょうか?
アマットル・キナさん(以下、アマキナ):大学在学中に休学し、バリ舞踊を学ぶために留学したのがきっかけです。当初は1~2年ほど滞在する予定でしたが、そのまま大学を退学し、バリ島に住み続けることになりました
――アマキナさんは、バリ島に住んで何年になりますか? どのくらいの頻度で帰国されていますか?
アマキナ:14年以上になります。これまでは年に1回、実家の農作業の繁忙期に合わせて、3週間前後帰国していました。実家が米農家なのですが、父がもうすぐ80歳になることもあり、ゆくゆくは跡を継ぎ、漫画家兼農家として活動していきたいと考えています。
そのため、今年からは年に2回帰国し、1回あたりの滞在期間も少しずつ長くしていく予定です。将来的には、稲作の時期は日本で、それ以外の時期はバリ島で暮らせたらと思っています。
――日本人とインドネシア人の性格の違いについて、最も違うと感じるのはどんなところですか?
アマキナ:一番違うと感じるのは、良い意味で「深刻になりすぎない」ところです。もちろん、悲しいことや大変なことがあれば落ち込みますが、日本人よりも気持ちの切り替えが早く、「まあ何とかなる」「そのとき考えよう」と前向きに受け止める人が多い印象です。
実際、洪水などの災害時でも、できる範囲で普段通りの生活を続けたり、冗談を言い合って笑いに変えたりする姿をよく見かけます。日本では、周りが大変なときに笑ったり遊んだりすると、「不謹慎」と受け取られがちです。しかし、こちらではそうした空気はあまりありません。どんな逆境でも「今」を面白がることのできる、おおらかさやたくましさが魅力だと思います。
――バリ島に住んでいて、良かったと思うのはどんなときでしょうか?
アマキナ:あくまで現地の方と結婚せず、外国人として身を置かせてもらっている立場からの感想ですが、日本ほどルールや固定観念に縛られすぎないところが心地よいと感じています。
私自身、子どもの頃から「なぜそう決まっているんだろう?」と、校則などに疑問を持つタイプでした。そのため、ルールはありつつも臨機応変に対応する空気が、自分には合っていたようです。日本にいた頃よりも、肩の力を抜いて生活できるようになりました
また、インドネシアはイスラム教徒が多数を占めますが、バリ島はバリ・ヒンドゥー教の文化圏で、世界中から観光客や移住者が集まる土地でもあるため、服装も比較的自由です。タンクトップや短パンで歩いていても特別目立たず、そうした気軽さも暮らしやすさにつながっていると感じます。
さらに、日本の「八百万の神」という考え方にも通じるものを感じることがあり、そうした文化や空気感にも親しみを覚えています