
そして、ある日SNSでそのことをつぶやいたところ、「私もです」という人がちらほら。
どうやらこの珍現象に見舞われているひと、私だけではないらしいのです。
そこで私は考えました。もしかすると、心霊特集って、ものすごいリラクゼーション効果があるんじゃないでしょうか。あ、真剣です私。
もちろん、怖いものが苦手な人には当てはまりません。
私のように「怖い話が好き」「怖いものを見るとワクワクする」という人にとっては、心霊番組は意外と眠りに適しているのではないでしょうか。
まず、好きなものを見ているので、気持ちはポジティブです。
そして番組の構成も絶妙。スタジオで出演者が「キャー!」と驚く場面があったかと思えば、今度は暗い部屋の定点カメラの映像が延々と流れる。何かが起こるかもしれないという緊張感と、何も起こらない静かな時間が交互にやってくる。
いわば「緊張と弛緩」を繰り返しているわけです。この「緊張と弛緩」はヨガの世界やメンタルコントロールの世界でも大事な概念とされているものですが、ということは脳科学的にもアリということではないでしょうか。
さらに画面も暗くナレーションも低く、ゆっくり。しかも、ドラマのように「この伏線は何だろう」と先の事を一生懸命考える必要もなく、ただ、眺めて次の場面展開を待つのみ。
つまり、完全な受け身スタイル。この「緊張と弛緩を繰り返しながら基本的には何も考えなくていい」という状態が、ものすごく心地いいのかもしれません。
実際、試してみました。
部屋を暗くして、布団に入る。TVerで心霊特集を流す。そして「眠くなったら、もうそのまま寝よう」と決めた状態で鑑賞。
すると……自分でもびっくりするくらいスコーンと寝てしまった! 普段私は中途覚醒がひどいのですが、その日はそのまま朝まで! すごい。
心霊特集、まさかの睡眠導入コンテンツだったのです。
もちろん、すべての人におすすめできる方法ではありません。繰り返しますが、怖いものが苦手な人には、むしろ逆効果でしょう。
心霊特集が大好きなのに、なぜか見終われないという皆さん。
もしかすると、それは年のせいでも、疲れているからでもないかも。あなたの脳が「これは最高のリラックスタイムだ」と判断しているのかもしれません。
心霊特集を見ながら眠る。
なんだかちょっと矛盾していますが、私にとっては、これが今のところ最高の夏の夜の過ごし方かも。
<文/アンヌ遙香>
アンヌ遙香
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『
アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram:
@aromatherapyanne