耳をふさぎたくなるほど不快に演出された赤子の泣き声

愛して当然のはずのわが子に本能的な違和感を覚え、環境の変化に孤独を極めて精神的に追い詰められていく母親の姿を、サーガ役のセイディ・ハーラが鬼気迫る表情で怪演。
果たしておかしいのは赤ちゃんなのか、それとも母親なのか。
ラストまで赤ちゃんの顔は映らないからずっと不穏なうえに、思わず耳をふさぎたくなるほど不快に演出された赤子の泣き声は、鑑賞後の今も脳裏にこびりついている。

夫・ジョンを演じるハリーポッターのロン役でおなじみのルパート・グリントの姿に、あの少年が父親役を演じるようになるだなんて……と自分と同世代なので当たり前のことではありながら、なにか感慨深いものを感じた。
しかし、勝手に義両親を家によんだり、できるわけもなくプロでもないのに授乳のアドバイスをしてみたりと、かなりありがた迷惑な存在に感じてしまった。
ラストの展開含め、性別や妊娠・出産、子育ての経験の有無で印象がずいぶん変わりそう。立場の違う人の感想をぜひ聞きたい。
『
ナイトボーン -夜哭-』
配給/NOROSHI、ギャガ ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開中 © 2025 Elokuvayh/ö Komee4a Oy, Filmai LT, Bluelight, Getaway
<文/宇垣美里>
宇垣美里
’91年、兵庫県生まれ。同志社大学を卒業後、’14年にTBSに入社しアナウンサーとして活躍。’19年3月に退社した後はオスカープロモーションに所属し、テレビやCM出演のほか、執筆業も行うなど幅広く活躍している。