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なぜクズ男にハマる? 「鼻くそを食べた男」に電撃が走って運命と錯覚した女性の心理と、抜け出せない“認知のバグ”

鼻くそを食べた男に運命を感じた理由

恋のカスと愛のクズ

しずみの恋愛を観察・研究する宇宙人の悶子

まん子:ポインティさんのもとには、そういうクズ男のエピソードがたくさん集まってきそうですね。 佐伯:最近聞いた中でいちばんシビれたのは、マッチングアプリで知り合った男性が完璧に独身偽装していた話。いきなり家に招かれたときも妻子の痕跡はどこにもなかったそうなんですが、彼が「こだわりの注文住宅を建ててくれた」と自慢していた建築家のSNSを検索したら、その家の前で奥さんと写っている「完成記念写真」が見つかって既婚者だと発覚したという。建築家を自慢したい欲求から足がついたことを含めて、業が深い話だなと(笑)。 まん子:“未知の刺激”にバグってしまったといえば、私の友達は合コンで出会った男性と初デートした帰り、明け方の渋谷の交差点で男に「鼻くそついてるよ」と言われて。戸惑っていたら、彼が目の前でその鼻くそを指で取って食べたそうなんです。 佐伯:えっ(笑)。 まん子:その瞬間、「こんな人、会ったことない!」っていう“電撃”が走って、一気に好きになってしまったらしくて。めでたく付き合ったみたいですが、いろいろあって別れてしまったそうです。 佐伯:小説家・平野啓一郎さんの『「カッコいい」とは何か』という本に、人はしびれるような興奮を体験してしまうと、頭では簡単に否定できなくなる、と書いてありました。まさに“電撃”のような名前のない強い感情に対して、いちばん近い感覚として「好き」とか「運命」と名づけてしまう認知のバグが起こるんだと思います。 ――一度バグった状態から抜け出せず、沼にハマってしまうのはなぜなのでしょう? 佐伯:最初に食らった電撃を「恋だった」と納得させるため、「こんなに胸が痛むってことは本物の恋だからに違いない」と言い訳や自己弁護する物語を、どんどん脳が勝手に作ってしまうんでしょうね。 まん子:私の漫画にも、2週間連絡がなかった春斗から「ごめん寝てた」というLINEがようやく来て、しずみが「本当に疲れてたんだと思う」「最近忙しいって言ってたし」と彼を擁護する言い訳を早口でまくしたてる場面がありますが、あそこは描いていて楽しかったです(笑)。 佐伯:あの場面は、リアルタイムで記憶や解釈を塗り替えていく“ライブペインティング”みたいだなと思いました(笑)。自分で自分を必死に洗脳してる状態というか。 まん子:そういう醜くも愛おしい人間の仕草を漫画に描くのが大好きなんです。
恋のカスと愛のクズ

「クズ男にハマる女性は自分を洗脳してるのかも」

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沼にハマっている人には物語を否定せず水を差せ
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