
「自ら沼にハマっていく恋の不条理を描きたい」
――では、自分の友人が明らかなクズ男にハマっていたら、どう助言してあげればいいと思いますか?
佐伯:「それって遊ばれてるだけじゃない?」と外野から正論を言っても突っぱねられるだけ。自分が好きな映画を、観てない人から「つまらなそう」と否定されたら「何も知らないくせに」と反発したくなるのと同じだと思うんです。
まん子:確かに、正論で否定されるほど、「私だけは彼のことをわかってる」と逆にのめり込んでしまいそう。
佐伯:これはクリエイターの水野しずさんが唱えていたのですが、そんなときは物語そのものを否定するのではなく、同じ映画の観客として「展開おかしくない?」「最初より脚本が雑になってきたよね?」と、物語としての完成度に水を差す厄介オタクになるのがいいんじゃないかな。
まん子:さっきの話で言えば「最近の彼、鼻くそ食べてくれなくない? 本当に大事にされてる?」とか(笑)。同じ土俵で話をすることで「あれ、この物語って実はおかしいのかな」と目を覚ましやすくなるのは、洗脳されている人への接し方と同じ。めちゃくちゃ実践的で今すぐ使えそうなアプローチですね!

『恋のカスと愛のクズ』は「マンガSPA!」で連載中
【にくまん子氏】
漫画家。『泥の女通信』『恋煮込み愛つゆだく大盛り』など、現代のリアルな恋愛模様を描いた作品が多くの女性から圧倒的な共感を集める。新刊『恋のカスと愛のクズ①』が発売中
【佐伯ポインティ氏】
1993年生まれ。猥談系YouTuber。性愛や日常の悩みをフラットに語るスタイルがZ世代を中心に支持されている。著書に『嫌われおじさん愛されおじさん』などがある
<取材・文/福田フクスケ 撮影/杉原洋平>