Gourmet

新玉ねぎは常温or冷蔵保存?意外と知らない「春野菜」のあれこれ

 意外と知らない、野菜の話。  みずみずしい春野菜が出回り始めました。見るだけでワクワクしてしまいますが、実際どういう食べ方が美味しいのか? カラダにいいのか? 大変気になるところです。  そこで今回は、代表的な5種の春野菜について、優れた栄養効果と、購入・調理の際に気をつけるべきポイントについてご紹介します。

新玉ねぎ

 春先の4~5月に出回る早生種。形が扁平で柔らかく、辛味が少なく老若男女食べやすいのが特徴です。 春野菜■栄養・期待できる効果 ・硫化アリル 玉ねぎ独特の香り・辛味成分。新陳代謝を活発にしたり、コレステロールの代謝を促進することで、血液サラサラに導いてくれます。また、ビタミンB1の吸収を助けてくれるので、豚肉などと合わせることで疲労回復に。 ■NGポイント ・常温保存 水分が多いため、常温の暗い場所での保存であっても腐ってしまいます。必ず冷蔵庫保存で、2~3日間で食べきりましょう。 ・水にさらす、加熱をする 水にさらしたり、加熱調理をすることで、せっかくの硫化アリルが流出・消滅してしまいます。効果を期待したいなら、必ずそのまま生食で。また、飴色玉ねぎ作りには不向きです。 ■オススメメニュー ・新玉とトマトの「簡単サラダ」 ・豚しゃぶの「付け合せ」として

菜の花

 新春から3月にかけて登場する、ほろ苦さを楽しむ春野菜。実は優れた緑黄色野菜で、積極的に摂取したい美容食材です。 菜の花■栄養・期待できる効果 ・ビタミンC 野菜の中でもトップクラスの含有量。美肌作り、花粉症対策として免疫力を高めてくれる効果も。 ・カロテン ピーマンの5倍を誇る含有量。強い抗酸化作用によるアンチエイジング効果が期待できます。また、がん予防効果も。 ■NGポイント ・黄色い花が見える、つぼみが開いている 大変傷みやすく、花が咲き始めると味が落ちてしまいます。つぼみが開いていない固いものを選び、早めに食べましょう。ストック野菜としては不向きです。 ・塩ゆで、煮物 カロテンの吸収量を高めるためには、「油調理」。ただし、加熱をし過ぎるとビタミンCが壊れてしまうため、短時間調理を心がけて。 ■オススメメニュー ・オリーブオイルで「蒸し焼き」に ・シンプルに「マヨネーズ和え」

そらまめ

 原産地は北アフリカで、4月~6月にかけて出回る世界最古の野菜の一つです。 そらまめ■栄養・期待できる効果 ・たんぱく質 良質な植物性たんぱく質を摂取できます。 ・食物繊維 そらまめの皮には食物繊維が豊富に含まれています。また、そらまめ自体にカリウムも豊富なため、むくみ・肥満防止に役立ちます。 ■NGポイント ・さやから出たものを購入する さやから出すと一気に鮮度が落ちるので、必ずさやつきのものを購入して。黒ずんだものよりも、緑色が濃く、つやのあるものが良いです。 ・皮を捨てる 食べる時についつい捨ててしまいがちな「皮」。この部分こそ栄養豊富ですから、そのまま食べるか、攪拌してスープやスムージーに利用してみて。 ■オススメメニュー ・シンプルに「塩ゆで」 ・さやごとトースターで焼く「焼きそらまめ」 ・豆腐と一緒にミキサーにかけて「ヘルシーポタージュ」に

春キャベツ

 ヨーロッパ原産で、古代ギリシャ時代から食べられていた野菜の一つです。葉の巻きがふんわりとゆるく、黄緑色で柔らかい葉質が特徴。 春キャベツ■栄養・期待できる効果 ・ビタミンU(キャベジン) 水溶性ビタミン様作用物質で、胃炎・胃潰瘍の回復に効果があるとされています。 ■NGポイント ・野菜炒め、煮込み料理 水分が多いため、野菜炒めにはオススメできません。また、柔らかく煮崩れしやすいので、ロールキャベツなどの煮込み料理にも不向きです。 ・芯を捨てる ビタミンUやビタミンCは芯にもたっぷり含まれているため、捨てるのは厳禁。 ■オススメメニュー ・千切りなどの「生食サラダ」 ・浅漬け

セロリ

 紀元前から薬用やニオイ消しに利用されてきた野菜。4~7月にかけて美味しい旬を迎えます。 セロリ■栄養・期待できる効果 ・アピイン セロリの香りを作る精油成分で、精神を安定させ、不眠やイライラに効果があるとされています。 ・カロテン 白い茎の部分よりも葉の部分に2倍含まれるため、美容効果を期待したいなら葉こそ大切に。 ■NGポイント ・そのまま保存する 葉が茎の水分・養分を吸い上げてしまうため、購入後は必ず切り離しましょう。茎は新聞紙で包み、ビニール袋に入れて立てて保存がベストです。 ■オススメメニュー ・乾燥させて「薬味」に使う ・セロリ葉とチキンのレモンパスタ <TEXT,PHOTO/スギ アカツキ> 【スギ アカツキ】 東大卒の料理研究家。在学中に基礎医学や生命科学を学ぶ。さらにオーガニックや久司マクロビオティックを学び、独自で長寿美容食の研究をはじめる。料理のモットーは「長く美しくを、簡単に」。忙しい現代女性に合わせた健康メニューが得意。ヨガ教室や人気ブログ(http://saqai.com/)も手がけている。
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ