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「恋の国フランスに“不倫”は存在しないわ」ってどういう意味?

 ボンジュール! はじめまして。在仏18年、美容家・皮膚科専門医にして、最近、“大人の恋愛”アナリストとして遅咲きデビューを果たしました岩本麻奈です。

フランス人は何歳でも”恋愛現役”?

 フランスと日本を行き来しているなかで痛感することがあります。それは、「なぜパリのマダムは45歳を過ぎてもあんなに魅力的なのか」ということ。  肌の美しさ、童顔ぶりでは日本女性に軍配があがります。ですが、女としての魅力、加齢に臆することのない存在感ではパリのマダムの勝利といえましょう。 パリマダム 日本人の“カワイイ”への固執、おこちゃま尊重志向、日本男子の絶食化ロリコン傾向などの現象をどう見るか。日仏の恋愛観、結婚観やもろもろの制度、文化風習の違いを考慮すると、同一線上の比較はとても困難です。でも、パリマダムの生き方には、年齢に関係なくオンナっぷりをあげて幸せに生き抜くヒントがあると思います。

「不倫って言葉、訳せないわ」の真意は?

 それを特に恋愛事情にフォーカスし、45歳以上のパリマダム&ムッシュー数十人をインタビューした著書、『パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ』を上梓しました。各地で講演会を開催すると、毎度かならず質問を受けることがあります。 それは拙著の帯に書かれた、あるパリマダム(55歳・通訳)の言葉の解釈です。 「不倫って言葉、訳せないわ。だってそもそも存在しないから」  さて、これはいったいどういう意味だと思いますか? (1)結婚していても不倫というネガティブな概念はないの。だから好き勝手に恋してエッチしてもいいのよ。フリーセックス礼賛! (2)既婚者の恋は基本、浮気ではなく本気になる事が多いので、表面化したら最終的に別れてしまう。だから、結果的に不倫っていうのはないの。不倫の関係が長く続くことはないんです。 (3)不倫=モラルに反する事、既婚者との恋愛は倫理に反する、有責である、という解釈はないわ。要するに法律上明記されていない。それをもって即座に後ろ指をさされることがないということです。 ★正解★ (2)はフランス的な習性、行動観念からすれば間違いではないですが、(1)はまったく違います!お手軽な婚外セフレを推奨するというのは論外です。 正解は(3)です。  恋愛至上主義のフランス人であります。だからこそ、いったん神の前で交わした契約はそれはそれで神聖なのですが、不幸にも愛がなくなり仮面夫婦などになってしまった場合には、継続する意義はない。建前や世間体よりも感情を優先する。自分の気持ちに忠実であるということです。

結婚しても安泰じゃない残酷な自由

岩本麻奈

岩本麻奈さん

 パートナーの心が離れた証拠を見つけても、鬼の首をとったという風にはなりません。“誰かを愛する自由”があるのなら“誰かを愛することをやめる自由”もある。  かくも残酷な自由と責任の原理のもと、結婚生活は決して安泰ではなく、いつ他の誰かにパートナーの心をさらわれてしまうかもしれない。だからこそ、“愛しあっている”今に感謝し、パートナーを魅了し続けるために数々の工夫やアクションを持続するわけですね。  つまり、夫婦関係の基盤には、心身の強力な恋愛引力が必要です。子供がいようが、高齢であろうが、根底にパートナーとの“セックス”に動機づけられねばなりません。セックスフルな夫婦生活が関係維持の基準なのです。  では、実際にどういう努力をしているのか、気になりますよね。具体的なアクションのお話は、次の機会にとっておくことにいたしましょう。 <TEXT/岩本麻奈> 【岩本麻奈】 1964年生まれ。皮膚科専門医、一般社団法人日本コスメティック協会代表理事。 東京女子医大卒、慶應大学医学部皮膚科学教室で研修後、済生会中央病院などに勤務。3児の母。97年渡仏し、現在はパリ在住。著書は『女性誌にはゼッタイ書けないコスメの常識』『パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ』など多数 。 公式ブログ http://ameblo.jp/dr-mana/
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パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ

恋愛至上主義そして美至上主義の街パリ。幾つになっても美とアムールに溢れる日々を送るパリのマダム達にその秘訣を現地取材!

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