気づけば31歳・月収14万。「結婚予定もキャリアもない」フツーのOL型貧困
昨今、問題になっている「女性の貧困」。単身女性の約3人に1人が貧困状態だという統計もあるが、どのように貧困に沈んでしまうのか――。当事者を取材してみた。
<島田遥さん(仮名・31歳) 事務、月収14万円>
「低収入だけどキャリアアップ転職なんてできないし、現実を見ないようにしています」と話すのは、事務職として働く島田さんだ。彼女の月収は約14万円。新卒のときから給料はほぼ上がらず、家賃だけで毎月半分近くが消えている。
「職場は残業や副業を禁止しているので、稼ぎたくても稼げない。たまに自分へのご褒美に1万円のアクセサリーを買うのがやっとです。同期は20代半ばまでにほとんど転職してるし、私も考えてはいるんですが、スキルや資格が何もないので一歩踏み出す勇気がなくて……気がついたらこの年です」
とはいえ、そんな自分の現実に焦っているわけではなさそうだ。
「給料はすごく安いんですが、そのせいか職場には変な連帯感があって働きやすいんです。ギリギリの生活ですが、ガマンはできる」
ただ、裏を返せば“ぬるま湯”でもある。彼女自身は仕事面での出世を諦め、生活の安定を結婚に求めている様子。節約のために女友達との交遊はすべて断り、その分を婚活費用に充てているという。
「昔からの友達はほとんどいなくなりました。でも、女友達と表面上の付き合いをしてムダ金を使うなら、結婚相手を見つけるために動いたほうが効率的だろうなって。転職より結婚のほうが現実的というか、このままでもなんとかなると思ってしまうんですよね」
30代女性にとって、婚活は転職と同じぐらい年々難しくなってくる。もし生活のための結婚なら、「なんとかなる」という考えを捨てて、ソッコーで婚活しないとヤバいです!
★遥さんの未来予想図
絶対に結婚できていると思う。仕事はたぶん辞めている
― 女性の貧困化、知られざる実態【5】 ―
転職する勇気もなくて気づけば30歳になってた
