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「現代のAIは人間の平均を上回る」落合陽一が語る“人間が得意なこと”と”AIが得意なこと”

 文章や画像、動画の生成。さらには、ビジネスプランの設計から話し相手まで務めてくれるなど、万能な役割を果たす生成AI。しかし、その存在を知りながらも、うまく使いこなせている人はまだ数少ないはずです。  そこで、ChatGPTをはじめとする生成AIの使い方について、生成AIのエキスパートで、『猫でもわかる生成AI ―落合陽一に100のプロンプトを入力してみた―』を出版された筑波大学図書館情報メディア系准教授・落合陽一氏に教えてもらいました。
猫でもわかる生成AI

落合陽一『猫でもわかる生成AI ー落合陽一に100のプロンプトを入力してみたー』(扶桑社)

(本記事は、『猫でもわかる生成AI ―落合陽一に100のプロンプトを入力してみた―』より一部を抜粋し、再編集しています)

生成AIとはどんなもの?

AI そもそもAIとはどんなものなのか。そんな疑問を抱く人も少なくないはず。そこで、まずは、落合さんに「AIとは何か」というストレートな問いをぶつけてみました。 「まず、AIとはある条件を最適化する計算手法のことです。たとえば、『「私はロボットです」を英語に訳す』『「1+1を50回足して」などの日本語をプログラミング言語で表現する』といった問題に対して、最も効率的な回答を探してくれるのが、AIの活用例のひとつです」  数々のAIのなかでも、いま最も注目を浴びているのが「生成AI」です。 「『生成AI(Generative AI)』は、大量のデータをもとに新しいコンテンツを作り出す技術です。この技術を支えるのが、機械学習です。この機械学習は、AIがデータを使ってパターンを学び、そのパターンをもとに将来の結果を予測したり判断したりすることができます」

人間より優秀? 生成AIの頭のよさ

 昨今、AIは万能と言われますが、はたしてどのくらいの精度を持っているのでしょうか? 「たとえば、生成AIとして有名なChatGPT。これはOpenAIというアメリカのIT会社が発表したAIソフトのひとつです。たとえば、「ChatGPT」のo1-previewは、MENSAのテストでIQ130に相当する知能を持っていることがわかっています。人間の知能の平均はIQ100前後と言われているので、現代のAIは人間の平均を上回る知能を持っていることがわかります」  でも、だからといって、すべての面においてAIが人間よりも賢いわけではありません。 「人間とAIでは賢さの種類は違います。あくまでAIはたくさんのデータを一瞬で処理して、新しいものを作り出すのが得意。人間には、そのデータの意味を感じたり、そこから深堀りして考えていったりする力があります。それは、AIには真似できないことですよね」
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AIの歴史を大きく変えた、ニューラルネットワーク
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