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みんな「コミュニケーション能力」を気にしすぎている

 就活戦線が本格的にスタートした12月。

 ここ数年、就職活動中の学生や企業の人事担当者が、口々に挙げるキーワードがある。それは「コミュニケーション能力」。就活に限らず、「できる人材」だとか「生き残れる人」といった話題で、必ず「コミュニケーション能力」が挙げられる。

「コミュ障」などの言葉が安易に使われる風潮もあるなか、とにかく「コミュ力」さえ強化すれば、就活や仕事はうまくいく……という風潮さえ感じられる。だが、この「コミュ力」について、違和感を覚えると語るのは人材コンサルタントの常見陽平氏だ。

「発信力」より大事なのは「聞く力」



「コミュニケーション能力は、『発信力』『傾聴力』『会話力』で成り立っているんです。でも、学生はつい『発信力』ばかりを重視してしまいがち。確かに、発信力がある応募者のほうが、話もうまいし、面接官受けもいいんです。

 でも、相手の話が聞けて、ちゃんと交渉もできなければならない社会人にとって、本当に大事なのは、『傾聴力』と『会話力』。だから、必ずしも目立つ学生がいい社会人になるかというと、そうとも限りません」

 都内在住の人事コンサルタントの太田みきさん(仮名・30歳)も、「最近の学生は、コミュニケーションにおいて『発信力』に比重を置きすぎている」と危惧する。

「最近の学生さんは、フェイスブックやツイッターで会いたい人にコンタクトを取ったりと、積極的な人が多いんです。でも、会ってみると、人の話も聞かずに一方的に話し続けたり、相手が相づちを打つ隙を与えず勝手に話題を変えてしまうなど、会話のキャッチボールができない人が目立ちます」

コミュニケーション力は本当にそこまで重要か?



 それにしても、なぜ、ここまで就職活動でコミュニケーション能力が重視されるようになったのか。常見氏はこう解説する。

「企業に『欲しい人材像』をリサーチすると、コミュニケーション能力が1位に挙がるんです。ただ、複数回答なので、『無難だから、とりあえずチェックしておこう』という企業が多いだけな気もします。

コミュ力は大事ですが、それよりは、モノを考える力だったり、へこたれないタフさのほうが、仕事ではずっと重要なのですけどね」

 仕事とは、自分の意見を言うことだけでは成立しない。「コミュ力」に振り回されている人は、基本に立ち返ったほうがいいだろう。

 さらに、コミュ力のうち「発信力」ばかりをアピールする人が多いのだから、そこを逆手にとって、「傾聴力」「会話力」を磨けば、ライバルたちに一歩先んじることができるはずだ。

<PHOTO/Fotovika>
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