年収960万円で貯金は数万円…定年前に家計は破たん!?
一見、十分な収入のように思える800万円という数字だが、実際に都心部で暮らす家庭では綱渡りのような生活を強いられていることも多い。その姿を追った――。
共働きでかなりの額を稼ぎ、子供がいないので教育費負担もない――。「DINKS=ディンクス」(デュアル・インカム・ノー・キッズの略称)とも呼ばれる、そういった夫婦。負担が少ないだけに最も家計を“健全経営”できそうな境遇に思えるが、そんな家庭でも、気づけば“破たんコース”に陥る場合がある。
「FP(ファイナンシャルプランナー)に家計診断を依頼したら『定年前に破たんしますよ』と諭されました」と話すのは、港区在住の鈴木雅子さん(仮名・39歳)だ。
本来ならば将来に備えて貯蓄すべき時期なのだが、貯金はたったの数万円。FPが問題視したのは「贅沢費があまりに多すぎること」だったという。
「独身時代のクセが抜けず、ついつい洋服を買ってしまうんです。しかもリボ払いで。カード会社から月給の半分くらいの請求が来たこともありました。夫も『会社の付き合いだから』と、趣味のゴルフを毎週やっているし、暇さえあればスマホゲームで遊んでその都度課金までしている。
そんな生活だから薄々感づいていましたけど、いざFPから具体的な数値を見せられ、唖然としましたね……」(鈴木さん)
鈴木さん夫婦はかろうじて妻が毎月5万円の貯金を積み立てている。だが、ブランドバッグなど自分へのご褒美でそれが吹っ飛ぶことも多々あるそうだ。世帯年収が1000万円に届きそうな家庭でも、破たんの恐怖におびえている。
◆世帯年収 960万円
(夫:540万円 妻:420万円)
夫妻の平均手取り月収 80万円
住宅費 12万円
食費 25万円
光熱費 3万円
通信費 4万円
贅沢費 25万円
その他(旅行代) 6万円
月の収支+5万円
―都心部[年収800万円]家庭は火の車だった【10】―