日本の「夫に小遣い」制は世界でも珍しい?
日本のお父さんたちの多くは小遣いの少なさに悩んでいるようだが、日本で「ダンナの小遣い」と言えば、だいたい話は通じる。でも、この「小遣い制度」って海外にもあるの? 日本に滞在している外国人に、かたっぱしから聞いてみた。
まず、ヨーロッパでは「夫婦で稼いできたお金をひとつの口座にまとめて、一緒に管理するのが一般的です」(ベルギー人男性・20歳)と、日本のように妻に家計を任せっきりにしないのが主流とのこと。
「収入は家族のものとして管理するので、個別に財布を持つことは少ない」(デンマーク人男性・29歳)ようで、個人的な趣味などに使うお金は、その都度相談しながら仲良くやりくりするそうだ。
反対に、夫婦関係がドライな国もちらほら。
「フランスでは、家庭に入れるお金の額は月々の話し合いで決める。夫婦で必ず別々の財布を持っているね」(フランス在住経験のある日本人男性・32歳)。これはアメリカも同じで、いかにも契約的な感じ。
そもそも「欧米には子供に与えるものとしての“小遣い”はあるが、夫がもらうものという認識は、まったくない」(アメリカ人女性・47歳)らしい。
そのほかにも「奥さんが夫から小遣いをもらってることが多いですよ」(トルコ人女性・28歳)と、日本とは逆の“夫優位システム”の国もある。
「自分の小遣いは毎月必要な分だけ収入から抜いてます。家に入れるお金はほぼ一定。月の収入によって自分の小遣い額は変わるよ」(ネパール人男性・42歳)という国も多かった。
日本と同じような家計システムをとっているのはお隣の韓国くらいなもので、夫の「小遣い制」は世界的に見るとかなり珍しいようだ。
オリックス銀行の調べでは、「家計の管理者」は「夫27.6% /妻59.2% /共同で管理12.4% /その他0.8%」。
「あなたは小遣い制ですか?」という質問に対して「YES」と答えたのは、夫は57.6%、妻は42.2%だった。
(オリックス銀行「家計管理の実態に関するアンケート調査」全国20~60代の男女3300人のうち既婚者2074人、2013年7月)
やっぱり日本は、妻が財布のヒモを握って、夫に小遣いを渡す、という家庭が多数派のよう。
ドイツ人の男子学生(23歳)はこう言っていた。
「ヨーロッパと比べて、日本の女性は優しいし、“家事をやれ”とか言わない。でもそのかわり、結婚したら家庭のお金を奥さんに支配されるから、日本の女性とは結婚したくないな」
日本のみなさん、どう思いますか?
<PHOTO/Andrey Popov>
― よその家庭は?夫の小遣い事情【10】 ー
「小遣いは子供にあげるものでしょ?」
