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『聲の形』は感動ポルノか?バリアフリー作品か?大ヒットアニメ映画を考える

 9月17日に公開されたアニメ映画『聲の形』が、観客動員数100万人を突破しました。この大ヒットの裏で、ネットを中心に賛否両論が巻き起こっています。

 主人公の高校生・石田は小学生の頃、かなりやんちゃで、いじめっこでした。そこに転入してきた聴覚障がい者の女子・西宮をいじめるようになります。

⇒【画像】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=599070

『聲の形』より_1

『聲の形』より

 クラスでは周知のことで誰も止めなかったばかりか、加担する子もいました。しかしそれがエスカレートした結果、西宮へのいじめが親や先生に知られバレると、今度はいじめの対象が石田に移ります。以来、友達もできないまま高校に進学し、石田は西宮に謝罪をするために再会する……というもの。

一部の「感動ポルノ」の声に疑問



 同作はいじめの加害者である石田と被害者の西宮の恋模様も描いており、「これは悪質な加害者救済物語」「感動ポルノもここまで悪化したかとつばを吐いて帰った」「いじめ主犯と共犯のために書き下ろされた感動ポルノ」などと批判があります。

『聲の形』より_2

『聲の形』より

 そこで、少女マンガに詳しく、かつ「Co-Co Life☆女子部」という障がい者のためのファッションフリーペーパーの編集をしている和久井香菜子さんに、この作品について解説してもらいました。

――本作をご覧になって、感動ポルノだと感じられましたか?

「確かに、障がい者の女の子は登場するし、感動ストーリーですが、私は感動ポルノだとは感じませんでした。原作も読んでいますが、作品の中で西宮が障がいを乗り越え何かに到達することはないですし、そもそもストーリーのテーマは『コミュニケーションの難しさ』であって、障がいがあることや、それを『乗り越えること』ではないんですよね」

――なるほど、ではなぜ議論が起こっているのでしょう?

「登場するキャラは全員、厨二病だったり直情的だったりと、いろいろ問題を抱えています。その中で一見聖女に見えるのが西宮です。いじめられても、バカにされても、笑顔で相手と関わろうとします。そこが理解できないという意見もあるようですし、いじめられた経験がある人は辛い記憶が蘇り、『自分をいじめた相手に恋愛感情を抱くなんてありえない』と感じる人も多いようです。

 ただ、この作品において『障がい』はあくまでコミュニケーションが取りづらいことの象徴であって、西宮に障がいがなくてもほぼほぼ話が成り立つと思うのですよ。なので、障がい者を取り上げた話だと思って観るとフラストレーションが溜まると思います」

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障がいについての作品だと思うと肩すかしくらう

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