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女性のウエスト58cmという、男の幻想と女の呪縛【勝部元気】

痩せているのがコンプレックスだという女性も

 確かに、摂食障害や不健康なダイエット等、医学的な面で問題になることはあるでしょう。それを憂慮して欧米ではBMI18未満のモデルを禁止する動きが出ています。  ですが、私はこれには反対です。というのも、もともと骨格がコンパクトで、しっかり運動してバランスの良い食事をとっていても、BMI18以上にはならない日本人女性はある程度います。彼女たちがモデルをしようという際には食べ過ぎて運動も控えねばならず、これでは本末転倒です。
The Guardian

The Guardian電子版(2016年9月4日)のキャプチャ https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2016/sep/04/models-women-weight-london-fashion-week

※上画像は、英ガーディアン電子版(2016年9月4日)。激やせとぽっちゃりのファッションモデルが、体型による決めつけに異議の声を上げたことを報じる記事(女子SPA!の過去記事でも紹介)  痩せていることがこれだけ誤った形でもてはやされているなら、痩せている女性はみんな自分の体が大好きでしょうか? いいえ、「色気がない」「貧乳」「女らしさが足りない」等、別の偏見で生じたコンプレックスで苦しんでいるわけです。つまり、規制があっても、女性が自分の体にコンプレックスを持ってしまうこと自体は全く変わらないと考えられます。

女性の体型に口出しするような男はシャットアウト

 このような状況を根本的に変えるには、コンプレックスを生み出す偏見自体を無力化させることが重要です。大切なのはダイバーシティ、「みんな違ってみんないい」の精神だと思います。とるべき対策は、特定の体型を規制することではなく、「偏りを是正すること」でしょう。実際、先進的なCMでは、様々な体型の女性が起用されています。  そして、何よりもまず、偏見の元凶である「女性の体型に対するジャッジ」を男性たちがやめるべき! とにかく、女性の体型やダイエットに対して一切口出ししないことだと思います。  もしジャッジしてくる男がいたら、彼らの声にはすべて「ガラガラガッシャーン!」とシャッターを閉めてしまいましょう。本当のダイエットとは、「脂肪を削ぎ落すこと」ではなく、「偏見を削ぎ落すこと」だと思います。身軽な心になって、自分の体を愛してあげてくださいね。
勝部元気

目から入った紫外線でも日焼けするんですね!今更ですがサングラスを買いました

<TEXT/勝部元気> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【勝部元気】 1983年東京都生まれ。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEO。ブログ『勝部元気のラブフェミ論』(http://ameblo.jp/ktb-genki/)、twitterは@KTB_genki。初の著書『恋愛氷河期』が発売中
勝部元気
1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも幅広い知識習得に努めており、所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。雑誌・TV・web等でコメンテーター活動をしている他、働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEOを務めるなど、各種ソーシャルビジネスに携わっている。ブログは、男性なのに子宮頸がん予防ワクチンを打ったレポートが話題となった。twitterは@KTB_genki 。初の著書『恋愛氷河期』(小社刊)は発売中
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恋愛氷河期

著者は、ナンパ禁止論や反・不倫論で話題を呼んでいるコラムニスト。男性から、かつ若手からの立場で、女性に厳しい社会に真っ向からダメ出しをする。

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