私達は微弱の揺れを感じると、つい眠気に襲われてしまいます。それはもしかしたら羊水の中にいた頃を無意識に思い出すからなのか、などと想像してみるのですが。 　ハンモックがもたらす宙に浮いた揺れは、リラックスへと導く最たるものではないでしょうか。 　ハンモックリカバリー「癒し」のクラスは、ハンモック特有の揺らぎや包まれる感覚を味わいながら、心や身体に潜む不必要な緊張やストレスを解放していくというプログラム。 ⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=606629 　天井から吊り下げられたハンモックはその構造上、身体を横たえると編み込まれた紐が身体にフィットし、自然と背骨がゆるむようになっています。とりわけティップ.クロス TOKYOのハンモックはかなり湾曲にしなるように調整されているとか。 　ふだん私達が寝ているベッドや布団は平らですが、ハンモックには絶妙な角度があり、余計な力を加えなくても微弱に揺れるようにできているのです。 　これって、羊水をイメージしませんか。生まれる前、母体に守られた私達は極上のリラックス状態にいるわけですよね。それを再現されたら、そりゃもうたまりません。 　正直、たいして身体は動かさないのですよ。ほとんどただ寝転がっているだけ（30分間で寝たまま5種類のポーズをとる）。頃合いを見計らってインストラクターがライトを落とし、知らず知らずにうたた寝しちゃったりして。聞こえてくるのはヒーリングミュージックのみという空間。 　終了後は誰もがつぶやくはずですよ。「自宅にハンモックがほしい！」と。 　このプログラムを一日の最後に受ければ、心身のメンテナンスは完璧かも。アルコールやサプリメントに頼るよりも熟睡できる可能性もあり。「ハンモックリカバリー伸ばし」同様、「癒し」のプログラムも男女や年齢を問わず大人気だとか。 　確かに、ハンモックに30分乗れるだけでいいか、と思ってしまうくらいのトリップ感が味わえます。ただ、ダイエットやボディシェイプを目指している人には物足りないので、各種エクササイズの最後に取り入れるのがオススメ。ダイエット等のトレーニングと合わせて受けることで「回復」を促し、より効果を高める作用もあるそうです。 ●ティップ.クロス TOKYO ●女度向上指数　★★★★☆（星4つ） 数あるフィットネスクラブがこぞって新しいプログラムを考案する中、創意工夫だけではなく接客やインストラクターの質も良いと思われます。設備も整っており清潔感もあり、それだけに料金はやや高め。ハンモックリカバリーは、ティップネスグループでもティップ.クロス TOKYO3店舗（新宿、渋谷、池袋）のみというのも惜しいところです。 ＜TEXT／森美樹　ILLUSTRATION／尾山奈央＞ ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 ●森美樹：1970年生まれ。2013年、「朝凪」（改題「まばたきがスイッチ」）で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』（新潮社）を上梓。最新刊は『幸福なハダカ』（同） Twitter：@morimikixxx ●尾山奈央：1980年生まれ。脚本家、エッセイスト。著書に『1年で20キロやせた私が見つけた月1断食ダイエット』（泰文堂）