せっかくの機会なので、「起きた後も、体の倦怠感が抜けない」「長い時間寝たのに、昼間に急に眠くなる」という睡眠トラブルを抱えている記者(32歳)も、実際に自律神経年齢を測定してみました。
気になる自律神経年齢は……なんと、46歳! 実年齢よりも14歳以上という驚きの結果に……。え、これは……どういうことでしょう?
「かなりお疲れですね。自律神経年齢が高い人は、うつ病など精神トラブルを抱える可能性が高くなりがち。このまま放置しておくと、出産した後に産後うつになったり、深刻な更年期障害を発症させる可能性もあります」
それは、まずいです……(ちなみに同行した編集さんも35歳で自律神経年齢が49歳でした! 私たち疲れすぎていますね)。こういう女性は、どうしたら自律神経機能がよくなるんでしょうか?
「質の良い睡眠をとって、体にリズムを覚えさせることで改善してきます。そのためには、まず、眠る前の習慣を見直しましょう。
まず、
眠る直前にスマホやパソコンなどを見続けている習慣は、脳が昼間だと勘違いして興奮状態に陥ってしまうので、寝入りが悪くなります。
あと、同様の理由で
深夜にコンビニなどの明るい場所に行くのもNG。できれば、夜は薄暗い間接照明で過ごすのがオススメです。
お酒も睡眠の質を妨げますのでほどほどに。布団に入るおよそ3時間ほど前から副交感神経を促して眠る準備を整えるようにしてください」
時間が来たら布団に入るのではなく、眠る準備は前もってしておくのが大事なのです。
結婚している方は、旦那さんと一緒に眠っている、という人も多いかもしれません。
「同じベッドに寝ている人は要注意です。一緒に眠ると、相手の体温が伝わってきたり、ちょっとした物音や動きで目が覚めてしまい、良い眠りが得られません。だんなさんのいびきや寝相でいちいち起こされてしまう、という人も多いでしょう。
快適な睡眠を得て、日中のパフォーマンスを高めるには、旦那さんとはベッドを別々にしたほうがいいんです」
梶本先生いわく、「ベッドを分けているカップルのほうが離婚リスクが低くなる」という研究もあるそうで……。重要なのは自分たちの体調。常識に振り回されず、快適な生活を送るために何がいいか、考えてみましょう。
<TEXT/藤村はるな>
【梶本修身氏】
東京疲労・睡眠クリニック院長。大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。大阪大学大学院医学研究科卒業。医学博士・医師。産官学連携「疲労定量化および抗疲労食薬開発プロジェクト」(2003~、研究予算16億円)統括責任者でもある。「たけしの家庭の医学」(テレビ朝日)や「ためしてガッテン」(NHK)など多数のメディアに出演。著書に
『仕事がはかどる!超高速脳のつくり方』(宝島社)、
『最新科学が解明した疲労の正体 すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)など多数。