前述の実例は、家族が異常に気づいているが、もしひとり暮らしだったら? 考えるだけでゾッとするが、遺品整理アドバイザーの上東丙唆祥氏によると、独身ミドルの孤独死が増えているというのだ。
「高齢者が住んでいるならば周囲は気を使うし、たとえお部屋で亡くなったとしても早期に発見できるんです。それに対して、若い人のほうが発見が遅くなることが多く、腐敗してから周囲が気づき始めるなんてこともあります」
死因は、自殺が多くを占めるが、心不全、がん、くも膜下出血などの病死もあるという。
「両親とも長年連絡を取っていなかったりして、親御さんが部屋の惨状を見てびっくりされます。夏場には、ご遺体が液状化して発見されることもよくあります。運ぶのも一苦労です。
また、汚部屋のゴミで埋もれてしまうので、寝る場所もままならないから、エコノミー症候群で肺血栓になって亡くなる人もいるほど。こういう案件は年々増えているし、今後もひとり暮らしワンルームでどんどん孤独死は増えていくでしょうね」
ストレスと孤独……。どちらもゼロにはできないが、うまくコントロールする術を身につけたいものだ。
【遺品整理アドバイザー 上東丙唆祥氏】
遺品整理フランチャイズチェーン「e品整理チェーン」代表。同社では遺品整理のみならず遺品処理、生前整理、不用品回収(処分)なども行う。