高齢者を放置、死亡者も…介護スタッフが“金儲け主義”の施設は恐ろしい
3代目の施設長は金儲け主義、ついに死亡者も…
「3人目の施設長は、利用者をお金にしか見ていない人でした。介護報酬の加算は利用者の要介護レベルや利用するサービスによって変わるため、その人に必要な支援ではなく、金儲けになるサービスを優先させていたんです」
とある冬の終わりの寒い日、来所時から呼吸に雑音が混じっていたという利用者の女性。肺雑音もあり、普段は食べることが大好きなのに食欲もなかったため、すぐ同居の家族へ連絡し病院へ連れて行くようお願いしたそうです。
ところが、施設長は家族が到着するまでの間に入浴をさせてしまったとのこと。さらに、「病院で異常がなければ戻ってきていいですよ」とまで家族に伝えていたそう。
「入浴をするかしないか、利用時間が一日か半日かで料金が変わるため、あきらかに体調がおかしいのに入浴をさせ、病院で診断が下らなかったからと連れ戻したんです。その女性はその日の夜に様態が急変して病院へ搬送され、回復することなく数か月後に亡くなられました」
このほか、要介護レベルの高い利用者を預かりながら必要な訓練を与えないといったことも日常的にあったそう。さらに、利用者の命を軽んじるような言動もしばしば見受けられたとのこと。
「外出から戻った際、利用者を車内に3時間ほど放置してしまったことがあったんです。慌てふためく私たちの横で、施設長は『降ろし忘れちゃったの?』と笑いながら言ったんですよ」
お金のために利用者の命を脅かす行為を平然とおこない、命を軽んじる施設長の態度に不信感を募らせたヤヨイさんは退職を決意。同時に、介護・保育ユニオンに現状を訴え、施設へ改善を求めることにしたそうです。
それにより、本社への報告書で虚偽も発覚。施設長は責任逃れをするために、先出の女性は「家族からの要望で入浴をさせた」、車内放置に関しては「5~10分ほど」と書いていたそうです。
「利用者は金儲けの道具ではなく人間です。一人ひとりに本当に必要な支援をする施設が増えてほしいと切に願います」と、ヤヨイさん。
幸い最初の施設長がとてもいい人だったことで介護の仕事は続けたいと思えたそうで、現在はほかの施設で高齢者の笑顔を支えています。
<TEXT/千葉こころ>
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自由とビールとMr.Childrenをこよなく愛するアラフィフライター&編集者。
人生後半戦も夢だけは大きく徒然滑走中
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