最初に(笑)を使ったのは同級生のS山さんだった【こだま連載】
先日、実家で十数年ぶりにS山さんの名前を耳にした。母の話によると、彼女は目と唇と顎を整形してタイ人風の派手な顔に生まれ変わり、かつて自分をいじめた女子から男を奪い取っては捨て、奪い取っては捨てる愛欲の亡者と化したらしい。
その姿は教科書をためらいなく火の中に放り投げる少女と重なった。またしても「やるなあ」と思った。S山さんは闘い続けていた。ファイターS山だ。その方法が正しいかわからない。でも気が済むまでやってしまえと思う。
ふと、おまえはどうなんだ、昔からずっと見ているだけじゃないか、とダックS山に問われているような気がした。
※当連載は、同人誌『なし水』に寄稿したエッセイ、並びにブログ本『塩で揉む』に収録した文章を加筆修正したものです。
<TEXT/こだま>
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『夫のちんぽが入らない』 交際してから約20年、「入らない」女性がこれまでの自分と向き合い、ドライかつユーモア溢れる筆致で綴った“愛と堕落"の半生。“衝撃の実話"が大幅加筆修正のうえ、完全版としてついに書籍化!
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