「サンタはアマゾンと契約している」。娘の夢を守るためついたウソ【シングルマザー、家を買う/60章】
「じゃぁ、ママからのクリスマスプレゼントは何がもらえるの?」
は?
「なんでダブルであげなあかんねん」と思わず関西弁で呟きそうになったが、そこは必死に抑え、「え? サンタからくるからいいじゃん」と跳ね返してみた。
すると娘の顔はみるみる曇りだし、「なんでママはいつもクリスマスプレゼントくれないの!」と怒り始めたのだ。そして最後に「ケチ!」と言い捨てて、部屋に戻っていった。
……嘘……でしょ? ねぇ! 嘘でしょ!
今回娘が欲しいっていった編み物のおもちゃ、アマゾンで8000円もしたんだよ!? どうせ2カ月くらいしか遊ばないものに8000円も出したんだよ! それなのにママはケチって……。
なぁ……。ワイやで……。ワイがサンタやで……。
思わず白目になりぼーぜんとした私は、来年はもうママがサンタであることを白状することを決めたのであった。
<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>
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【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ、フリーライター。西野カナなどのオフィシャルライターを務める他、さまざまな雑誌で執筆。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘は“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky)
【ワタナベチヒロ プロフィール】
漫画家、イラストレーター。お金にまつわる役立つ知識をオールマンガで1冊にまとめた著書『お金に泣かされないための100の法則』(ファイナンシャルプランナー山口京子先生が監修)が主婦と生活社より発売中。
※このエッセイは隔週水曜日に配信予定です。

- ママ。80年生まれの松坂世代。フリーライターのシングルマザー。逆境にやたらと強い一家の大黒柱。
- 娘(8歳)。しっかり者でおませな小学3年生。イケメンの判断が非常に厳しい。
- 息子(5歳)。天使の微笑みを武器に持つ天然の人たらし。表出性言語障がいのハンデをものともせず保育園では人気者
吉田可奈
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、出版社に入社、その後独立しフリーライターに。音楽雑誌やファッション雑誌などなどで執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。長男に発達障害、そして知的障害があることがわかる。著書『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる』Twitter(@knysd1980)
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