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ゲーム禁止で藤原竜也なみに号泣した娘がとった、まさかの行動【シングルマザー、家を買う/61章】

シングルマザー、家を買う/61章>  バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。

ゲームは1日1時間!

 昨年のクリスマスに、私の弟から3DSのソフト「スーパーマリオメーカーズ」をもらった小3の娘。それまでほとんどゲームをしなかった娘が、マリオに病みつきになってしまった。一度ハマるとなかなか抜け出せずに、その世界に没頭してしまう性格の娘だけあって、いつもより早起きをしてはゲームをして、帰宅すればまたゲームをするという日々が続いた。  娘にとっては初めての楽しさだったのだろう。ハマる気持ちもわからなくはないので多少は見逃していたが、やり始めて3日が過ぎたころ、イラッとした私は「ゲームは一日1時間! それ以上は禁止!」とゲームの時間制限を強いたのだ。  基本的に世界で一番怖いのはママという認識がある娘は、我が家ではそのルールをしっかり守り、ゲームと上手く付き合っていた。  私の前だけでは……。

娘が忠犬ハチ公になった理由

 私の仕事は夜に取材が入ることも多いため、子どもたちは週に3日ほど実家で夕飯を食べる。そのころから、私が実家に娘たちを迎えにいくと、なぜか玄関で私のことを待つようになったのだ。これまでは自由にじいじの部屋で遊んだり、テレビを見たり、のびのびと過ごしていたのに。なぜいきなりママを忠犬ハチ公のように待つようになったのか。なによりもまず、ランダムに帰る私の帰宅タイミングを理解し、玄関で待つことができるのか……怪しい。  その翌日も夜に取材が入ったため、19時半くらいに実家にそろりと足音を立てずに帰宅してみることにした。慎重に、そっとドアを開けると、そこに娘の姿はない。そうか、娘は団地の階段をのぼってくる足音で私が帰ってくるのを判断していたのか。  しかし、なぜそんなことをしていたのだろう。  そっと居間のドアをあけると、そこには3DSを抱えてふんぞりかえりながらマリオをプレイする娘の姿が! そして私を見つけると3DSを振りかぶって遠くに投げ、「私はゲームをしていない」アピールをし始めたのだ。しかも第一声は「ママ~おかえり~! 待ってた~!」である。媚びすぎである!  頭の中では爆笑だ。しかし、これは怒らなくてはいけない。 「ちょっと! いつもママが帰ってくるまでずっとゲームしてたんでしょ!」  図星で焦った娘は「ゲームなんてさわってない!」と大嘘を付きだしたのだ。これはダメだ。ばぁばになぜ注意しないのかと聞くと、「注意したけどきかないんだもん~」と、のほほんとしている。自分もケータイゲームの「ツムツム」にハマり、日がな一日ツムツムをしているから文句を言えないのである。私が小さな頃ファミコンをあれだけセーブされていたのはなんだったのか!  中立を貫くじぃじによくよく状況を聞くと、やはり私がいないときはずっとやっていたらしい。「でもママがいるときはやってないから~」と孫に甘々なじぃじも話にならない。  ゲームは決して悪くない。ゲームが楽しいものもわかる。ただ、一日何時間もゲームをして家族といるのにコミュニケーションをとらないのはダメ! しかも小学生なのにそれはダメ! しまいには目が充血しているときたもんだ。  さてどうするべきか。そこで私は鬼になることを決めた。ゲームを没収したのだ。

今度は藤原竜也になった娘

 すると、普段は泣かない娘が膝をついて崩れ出し、「うわぁぁぁぁぁぁあ!」と藤原竜也なみの絶叫を披露し、「ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁい!」と泣き叫んだのだ。もう本音としては「え? そんなに? もういいよ、それならいいから。もうやらないでね」と言って済ませたい。でも、これでなめられちゃいけない。ここで返したら娘の思うツボだ。 シングルマザー、家を買う/61章 私は娘の3DSを手の届かない倉庫に隠し、怒っているそぶりをつづけた。  すると、娘は泣きながら歯磨きをし、ちゃんと磨けているか私にチェックさせた後、「うぉぉぉぉぉん、うぉぉぉぉ」と嘘みたいに叫んで布団にくるまり、5分後にはいびきをかいて寝てしまった。これが世に言うふて寝か。こんな状況でも私にちゃんと歯を見せてくる娘がかわいくてたまらない。そこはちゃんとやるのね。  何事もなかったかのように寝ている顔を見ていると、自分がやりすぎたのではないかと後悔の念が襲ってくる。ママだってこんなに怒りたくない。でも、限度を知ってほしい。将来、高橋名人みたいになるなら別だけど、娘の夢はデザイナーだ。そこにマリオはいない。明日には許してあげよう。そう誓い、次の日を迎えた。
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3DSを取り上げられた娘のまさかの行動
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