コートでもジャケットでもブラウスでもセーターでも、まず着てみて、余計な横じわが出ていないかチェックします。バストから脇へ向かうシワ、肩先からバストへ向かうシワ、ウエストに出る横ジワ、背中の肩甲骨の上あたりに横へと引っ張られるシワなど、これらすべて、寸法が足りないことによるシワです。
スカートやパンツについても同様で、よくジーンズをはいたときに見られるような、
足の付け根あたりにあらわれる横に向かうシワは、やはり寸法が足りないということを示すものです。ダメージ加工されたジーンズなどは、そのシワをわざとデザインとして取り入れていますが、そうでない場合、基本的に横にあらわれるシワは出てはいけないシワです。
次のチェックポイントは脇線です。鏡の前に横向きに立ってみて、脇の縫い目が前側や後ろ側に傾いていないかどうかチェックします。
脇線は垂直に下に落ちなければいけません。前や後ろに傾いているのならば、前が足りないか、後ろが足りないかどちらかで、これもまた、身体には合っていないということになります。
最後に前の裾と後ろの裾をチェックします。デザインではなく
前の裾が上がっている場合は、やはりこれもバスト寸法が足りない証拠です。後ろが上がってしまう場合は、後ろの寸法が足りません。肩に重く乗ってくる感じがするジャケットやコートも合っていない印です。
既製服はオーダーメイドではないので、ぴったりというわけにはいかないと思いますが、試着した際には、まず自分でこれらの点についてチェックしてみましょう。最近は、どんなにサイズが合わなくても強引に勧めてくる販売員もいらっしゃいますので、家へ帰って再び着てみて後悔しないためにも、自分でチェックするポイントを覚えてください。
サイズが合わない服は着ていても心地がよくないので、結局、着なくなります。ワードローブに居座る、使えないくせにメンテナンスにお金がかかる二軍選手を増やさないためにも、ルックスだけで即決しないで、本当に使えるメンバーかどうか、事前に自分でチェックできるようになりましょう。
<TEXT/小林直子>
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【小林直子】
ファッション・ブロガー。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒、文化服装学院卒。東京コレクション参加ブランドのパターンナー、大手アパレル会社の企画室を経て独立。現在、湘南エリアを中心に独自に開発したメソッドによるファッション・レッスン、各種ワークショップを開催するなど活動中。ブログ『
誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』