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「飛び出す女性器ですって」。週刊誌の袋とじを前にした70歳の淑女【こだま連載】

 袋とじは幸い未開封だった。袋とじが嫌なのではない。トミコが袋とじ云々いっているのが居たたまれないのである。我々の反応の薄さに恥じらいを覚えたのか、トミコは「さすがに開けないわよ、こんなもん」と馬鹿にする素振りを見せたが、深夜隣のベッドからビリビリと紙の破れる音が聞こえてきた。確かに聞いた。中学生かよと思いながら、布団を被って笑いをこらえた。70代女性の性欲について思いを巡らせながら眠りについた。  いろんな人がいて、いろんな生き方がある。病気や入院生活は私にたくさんのことを教えてくれた。 ※当連載は、同人誌『なし水』に寄稿したエッセイ、並びにブログ本『塩で揉む』に収録した文章を加筆修正したものです。 <TEXT/こだま>
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