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子どものニセ発作とマジ発作を見分ける方法を編み出した【こだま連載】

こだまの「誰も知らない思い出」 その3】 誰も知らない思い出――――――――――――――――――  自身の“愛と堕落の半生”を、ユーモアを交えて綴った『夫のちんぽが入らない』(1月18日発売)が早くも話題の主婦こだま。  彼女は閉鎖的な集落に生まれ、昔から人付き合いが苦手で友人もいない。赤面症がひどく、人とうまく話せなかったこだまはその日の出来事をノートに書いて満足するようになった。今はその延長でブログを続けている。  家族、同級生、教員時代の教え子、相部屋の患者。当連載は、こだまが、うまくいかないことだらけの中で出会った、誰も知らない人たちについての記録である。 ――――――――――――――――――

ヤスカワのマジ発作

 ヤスカワ君が白目を剥いて、崩れるように倒れた。 「おーい、ヤスカワ君。聞こえますかぁ?」  私は肩を揺さぶり声を掛けたが、ヤスカワ君は反応しない。  障害者施設に勤めて半年が経つ。ヤスカワ君は自分の都合が悪くなったときや、注目されたいときに、ニセの発作を起こして倒れる癖がある。その演技力は救急隊員も騙されるほどの腕前だった。 「おーい、ヤスカワ君。どこが苦しい?」  反応がない。彼は既に今週5回のニセ発作を発動している。きょうはどっちだろう。ニセなのか。それともマジのやつだろうか。  初めてそれに遭遇したときは心底驚いた。大変だ、緊急事態だ。私は全速力で廊下を走り、他の職員を呼んだ。しかし、命に関わるかもしれない一大事だというのに、同僚は、のらりくらりとやって来た。そして私の耳元で囁いたのだ。 「ニセの方かもしれません」 「は? ニセ?」 「ちょっと見ていてください。反応するかもしれない」  そう言って同僚は、突然スイッチが入ったように切迫した声を上げた。 「大変だー! これは救急車を呼ばなきゃ駄目だ! 次に倒れたら病院で注射を打つ約束をしていたんだ! 早く病院に運ばなければ!」  するとヤスカワ君の肩がビクンと反応した。
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ヤスカワ君のニセ発作とマジ発作
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